大研究 あなたが知らない
「環境問題のウソ」2011年版 PART1

週刊現代 プロフィール

「自動車というのは、車体が大きくなり、構造が複雑になれば、それだけCO2をはじめとする環境負荷が増えます。EVはいま小型のものが多いので、環境負荷は小さい。ただ今後、長距離走行を目指して電池を増設すれば、車は大きくならざるをえない。そうなると当然、製造時に出るCO2など環境負荷は増えることになってしまうのです」

 個々は正しいことをやっても、全体からみると悪い結果をもたらす。環境問題とはそんな「合成の誤謬」によるところが大きいと言うのは、立教大学特任准教授の見山謙一郎氏だ。

「だからこそ、EVが普及すればCO2を劇的に削減できると短絡的に考えてはいけません。部品製造から完成品を組み立てるまでの工程、EVの普及で変化する電力需要への対応など、それらが環境全体に与える影響を考え、マネジメントすることが必要なのです」

 ちなみに日本全体のCO2排出量のうち、自動車によるものは18%ほどと言われている。自家用自動車に限って言えば約10%で、これは家庭で暖房、給湯や照明機器、冷蔵庫などを使うことによって排出されているCO2の量とほぼ同じ。家庭で省エネに取り組めば、EVに匹敵するくらいのCO2削減効果があることも忘れないほうがいい。