大研究 あなたが知らない
「環境問題のウソ」2011年版 PART1

週刊現代 プロフィール

「古くは、1800年前後に、50年ほどの寒冷期がありました。ヨーロッパ各地で農業の生産力が極端に落ち、穀物の価格の高騰を招いて、多くの人々が飢餓に苦しんでいます。1600年代半ばには、その後約70年間続いた太陽活動の大衰退期がありました。

 当時は、地球が寒冷化し、世界各地で飢饉が起きた記録が残っています。日本でもちょうどその時期、享保の大飢饉が起きて、各地で農民一揆が起きています」

 寒冷化が与える農業への影響について東北大学の近藤純正名誉教授が言う。

「6~8月の夏の平均気温が1℃下がれば、米の収穫量は10%落ち、2℃下がれば60%落ちることもあります。日本では'93年にフィリピンの火山噴火に端を発した大冷害がありました。

 あの時も平均気温が約2.3℃下がり、収穫高は例年より39%ほど落ち込んで、米を輸入するという緊急事態に陥りました。日本は戦後30年気候に恵まれたせいで、米作農家は冷害に強い品種を作らなくなっています。日本の農業は寒さに弱いはずです」

 今冬は厳寒が予想される。そして暑い夏はもう来ないのだろうか。

[2] 電気自動車は本当に環境にいいのか

 11月中旬、米テスラ・モーターズのアジア初のショールームが、東京・南青山にオープンした。1階にはスポーツタイプ「ロードスター」の電気自動車(EV)が道路からも見えるように展示されている。もの珍しさに立ち止まって写メールを撮る通行人や、ショールーム内に入ってスタッフの説明を聞くお客が絶えない。

東京・南青山にオープンした、米テスラ社のショールーム

 ロードスターの値段は1000万円超だが、「5月に(テスラ社が)日本に進出してから、購入されたお客さまもすでにいらっしゃいます」(ショールームのスタッフ)という。EVの時代が間近に迫っていることを、実感させられる。

 化石燃料に依存せず、CO2を排出しないため、環境にやさしいと期待されているEVだが、CO2削減の効果は限定的だとするレポートを環境団体WWFのドイツ支部が発表。

 これが物議を醸している。その内容は次のようなものだ。

 ドイツでは現在、およそ4100万台の自動車が走っている。2020年までにこのうち100万台をEVか、家庭用電源で充電できるプラグインハイブリッド車(PHV。長距離走行時は内燃機関を使うため、CO2が排出される)に替えたと仮定する。

 そのエコ効果を試算すると、交通運輸部門で削減できるCO2の量はおよそ1%。それは国全体で排出しているCO2のうち、わずか0.1%でしかないというのだ。

急速に普及するとまずい

 WWFジャパンの広報担当者が言う。