2010.11.10(Wed)

本当は危険な有機野菜

安全? 健康にいい? 何の根拠もありません

筆者プロフィール&コラム概要
週刊現代

「堆肥を作るには、原料を数ヵ月かけてじっくりと発酵させる必要があるのですが、未熟なまま出荷して使用されることもある。発酵が不十分だと堆肥の温度が上がらず殺菌が不十分となり、病原菌が堆肥のなかに残ってしまうことがあるのです」(佐賀大学農学部・染谷孝准教授)

 菌を含んだ堆肥で農作物を作ると、食中毒菌が農作物に移り、集団食中毒を起こす可能性がある。実際、厚生労働省が「有機栽培」「水耕栽培」を対象に行った食品汚染調査では、野菜の一部からサルモネラが検出されたという。

どんな肥料を使ったのか

 発がん性物質に食中毒菌・・・。多量の農薬や化学肥料を使っていないからといって、有機野菜は必ずしも「安全」とは言い切れないのである。事実、行政機関も有機野菜が「安全である」とは謳っていない。本誌が農水省に問い合わせたところ、「農水省としては、有機農産物が健康に良いということはアナウンスしていない」とのことであった。

 限られた農薬しか使わないという点で、有機野菜は一般栽培の野菜よりは安全と言えよう。また、有機肥料(特に動物性)の危険性を考慮し、出来る限り農薬も肥料も使わないで、本当に健康に良い有機野菜作りに取り組む農家もたくさんいる。しかし現状では、大量の有機肥料を使って栽培した野菜も多く、そうでないものも、同じ「有機野菜」として括られることになるのだ。

 前出・河名氏はこう嘆く。

「その野菜にどんな肥料や農薬がどれだけ使われているかが明確であれば、消費者はより安全な野菜を選ぶことができます。しかし、スーパーの売り場では、有機野菜のコーナーでもそうした要素はほとんど考慮されず、ひと括りに並べられてしまっている。これは問題ではないでしょうか」

 河名氏は「ナチュラル・ハーモニー」という会社を設立し、自然栽培(無農薬かつ無肥料)による野菜生産に取り組み、その普及に努めている。「奇跡のりんご」として有名になった、木村秋則氏のりんごも、肥料を使わない自然栽培だ。本当に健康にいい野菜作りが広まるかどうかは、生産者の取り組みに加え、消費者が何を望むかにもかかっているのである。

最新号のご紹介

トップページへ戻る

賢者の知恵

週刊現代、セオリーより、マネー、生活関連の特集記事をお届けします。