実践的知能の高さが起業家の成功要因!

 一般的知能(General Intelligence)の高さだけでは充分ではなく、実践的知能(Practical Intelligence)の高さこそが、起業家の成功と失敗の違いに繋がる要因であることが米国・メリーランド大学で、起業家精神を研究するJ.Robert Baum准教授の研究で明らかになりました。

 知能にはいわゆるIQと呼ばれる検査で測定され、知能指数として指標化される一般的知能と、感情、社会性、創造性、そして准教授がテーマとした実践的知能など種々の知能があると考えられています。准教授はしばしば一般的知能(IQ)が非常に高いのに、起業家としては失敗する人もいる一方、IQが比較的低いにもかかわらず、起業家として成功を収める人が数多いることに着目し、その鍵が実践的知能にあるのではないかと考えました。

 実践的知能とは「経験に基づく技術の蓄積と明示的な知識と、その知識を日々の問題の解決に適用する能力」であると准教授は定義していますが、簡単にいえばいわゆる「ノウ・ハウ」とか実際の現場で身につく「常識」と理解してもらって良いとしています。この実践的知能が起業家の成功にどのように影響しているかを調べるために、准教授は起業家の実践的知能と、彼らの冒険的事業の成功数が増えることによる企業の成長目標との相互関係に着目しました。

 データを分析した結果、准教授らが開発した起業家の実践的知能と、成長目標の相互作用モデルは、調査対象企業の売上増と雇用者数の拡大に関しての要因の27%を予測することができました。この結果から准教授は、様々な知能因子があるが実践的知能が起業家の成功にとって決定的に重要であり、実践的知能は過去の経験から学ぶことと、その知識を事業に邁進するために用いることによって獲得されるのだとしています。

医療ジャーナリスト 宇山恵子
Society for Industrial and Organizational Psychology ニュース・リリース10月20日