作家・黒木亮 キムチ・ダイエットのすすめ
46日で8kgやせました

週刊現代 プロフィール

 ここからしばらく、七五kg前後で体重が落ちなくなる停滞期を迎えた。身体が「ホメオスタシス(恒常性)」機能を使って、体重を減らさないようにするのである。ダイエット開始から一〇日目を過ぎたあたりで、わたしに何とか食べさせようと、強い飢餓感を送ってくる。これは体重が落ちる前兆である。猛烈な飢餓感に、わたしはついつい負けそうになる。

 そんなときに出会ったのが、冒頭で記したキムチだった。

 考えてみれば、キムチは実に便利な食べ物である。低カロリーのキムチ鍋にすることもできるし、キムチをおかずに茹で野菜を食べることもできる。また、わたしにとってありがたかったのは、キムチだけでじゅうぶん酒のつまみになることだ。特に、赤ワインとの相性が非常によく、ワインの味を引き立ててくれる(ぜひお試し下さい)。

 どれくらいキムチを食べていたか、わたしの食事メニューを少し紹介しよう(それぞれの下に記したのは品目ごとの摂取カロリー)。

■六月一四日
朝 サンドイッチ(二〇〇)、野菜類(二〇)、キムチ(三〇)、肝油(五〇)
昼 パン(一八〇)、白滝の煮物(一三〇)、野菜類(二〇)
夜 白滝の煮物(一五〇)、キムチ(六〇)、柿の種(一五〇)、赤ワイン(三五〇)
計一三四〇キロカロリー

■六月一五日
朝 パン(一五〇)、ヨーグルト(七二)、砂糖(三〇)、肝油(五〇)
昼 ラーメン(三二〇)
夜 キムチ鍋(一五〇)、キムチ(三〇)、煮豆(一〇〇)、焼きとうもろこし菓子(一〇〇)、赤・白ワイン(四〇〇)
計一四〇二キロカロリー

 ほぼこんな具合で、キムチをそのまま食べることもあれば、野菜とともにキムチ鍋にすることもある。少量の豚バラ肉を入れるが、メインはあくまでキムチ。そこに豆腐、椎茸、長ネギ、白滝などを入れる。仕上げにコチュジャンを加えれば完成だ。

 キムチについては、においが気になるという人もいるだろう。確かに、毎日のようにキムチを食べていると、自分でもキムチ臭を感じることがないわけではない。しかし、幸いわたしは作家なので、サラリーマン時代に比べると人と接する機会も少ない。それに、多少においが気になっても、そのにおいのデメリットを上回るだけのメリットが、キムチにはある。

 その成果はと言えば、八日間(一〇日目〜一八日目)ほど、ほぼ七五kg台で体重が推移する停滞期が続いたが、キムチ中心の食事にしてから六日目には、ついに七四kgちょうどに。わたしの場合、この七五kg台を切るかどうかがひとつの壁で、その壁をキムチのパワーで乗り越えることができたのだ。

 さらにこの頃には、キムチを取り入れることで、一日の食事を一五〇〇キロカロリーに抑えることが苦でなくなり、ダイエットをしていること自体、忘れるようになった。しかも頭がすっきりして仕事が妙にはかどるのだ。