作家・黒木亮 キムチ・ダイエットのすすめ
46日で8kgやせました

週刊現代 プロフィール

 東京、熊本、神戸、大阪、京都、金沢、能登、静岡と回る取材ツアーを終え、ロンドンに戻ったのは五月三一日だった。ちょうど区切りよく、六月一日から再び一日のカロリー摂取を一五〇〇キロカロリー以下にするダイエットを開始した。その時点での体重は七八.四kg。今度は一五〇〇キロカロリーを必ず守ることにした。ここから四六日間で七〇.三kgまで八kgも落とす「二四年目の奇跡」が起きるのである。

 ただし楽しみの酒は止めない。唯一の息抜きであるし、空腹で寝るのはつらい。酒は毎日ワインをボトル半分から四分の三飲む。これだけで二六〇〜四〇〇キロカロリーになる。

 ワインの分を差し引いた残り、一二四〇〜一一〇〇キロカロリーを三食に配分すると、なかなか厳しい。

 朝は、ライ麦パン一・五枚で作ったサンドイッチ(二四〇キロカロリー)、カップ入りヨーグルトを半分(三五キロカロリー)、茹でた野菜(二五キロカロリー)。昼もだいたい似たようなもので、どうしても夕方になると空腹なので、バナナを一本(一〇〇キロカロリー)食べたりする。これで朝昼合計七〇〇キロカロリーで、残り八〇〇キロカロリーを夕方の「一人宴会」に使える(家内は飲まないので、我が家で飲むときはいつも一人)。

 残り八〇〇キロカロリーといっても、ワインの分を差し引くと、炭水化物を食べられるほど余裕はない。しかも、夜、炭水化物を摂ると太る。結局、冷や奴とか、白滝の煮物とか、野菜の焼いたものにちょっとイカやエビ(これらは低カロリー)を加えたものなど、菜食が中心になった(冷や奴以外は家内に作ってもらう)。

キムチに赤ワイン

 さて、最初の四日間くらいは、やはり空腹でつらかった。特に三日目と四日目に強い飢餓感があり、最初の山場だった。時々「空腹感なしのダイエット」みたいな宣伝を見かけるが、そんなものがあるはずがない。ダイエットしたら腹が空くに決まっている。

 空腹感をいかにやりすごすか—これがダイエットの最大のポイントである。勝敗の別れ目といっても過言ではない。

 わたしは色々な小道具を使ってみた。糖分をほんの少し摂ると、空腹感を忘れると本や記事に書いてある。たしかに飴玉一個(二〇〜三〇キロカロリー)で一時間くらいは忘れる。バナナ一本でも同様である。コーヒーに蜂蜜をスプーン一匙分(二〇〜三〇キロカロリー)入れて飲んでもよい。空腹感が強いときは、ブロッコリー、カリフラワー、ベビーコーン、アスパラガスなどを茹で、ドレッシングはかけず、インスタントのコンソメスープ(二〇キロカロリー)を飲みながら食べる。

 こういうとき身体の内側で「身を切られるような」つらい感じがするが、たぶん脂肪が落ちていっている証拠なのだ。