2011.07.28(Thu)

温かいお茶やコーヒーを飲んでいる人の鼻にはMRSA(メシチリン耐性黄色ブドウ球菌)が少ない!

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HBR

 院内感染のニュース記事でご存じの方も多い耐性菌MRSA(メシチリン耐性黄色ブドウ球菌)は、ほとんどの抗生物質が効かないため、感染症を発症してしまうと治療が困難であることから、なにより予防が重要となっています。このMRSAは黄色ブドウ球菌の一種で常在菌の一つと考えられ、健康な人に保菌されて鼻腔、咽頭、皮膚などから検出されることもあります。

 米国・サウスカロライナ医科大学のEric Matheson博士らがAnnals of Family Medicine 2011年7/8月号に発表した研究で、あたたかいお茶やコーヒーを飲んでいる人は、鼻にMRSAを保菌することが、飲んでいない人よりも少ないことが明らかになりました。

 博士らは健康な2歳以上の米国人5555人のデータに基づいて、コーヒー、温かいお茶、冷たいお茶、ソフトドリンクの飲用状況と、鼻のMRSA(メシチリン耐性黄色ブドウ球菌)保菌状況の関係について分析調査をしました。過去一か月以内に被験者全体の48.6%が温かいお茶を、60.8%がコーヒーを飲んでおり、また全体の1.4%がMRSAを鼻に保菌していました。年齢、性別、貧困状態、現在の健康状態、過去1年間の入院の有無、過去1ヵ月間の抗生物質の使用状況などの要因を補正した上で、飲料とMRSAの鼻での保菌率を算出したところ、温かいお茶かコーヒーのいずれかを飲んでいた人は53%、両方とも飲んでいた人は67%も、飲んでいない人よりMRSAの保菌率が低いことがわかりました。成人以上だけを対象として分析した結果も同様の結果でした。

 博士らはこの結果からだけでは、それぞれの保有する成分が影響していることは考えられるものの、どのような理由でこうなったのかについての因果関係は明らかではないが、MRSA感染症リスクを低減させる方法の一つとして、コーヒーと温かいお茶を飲むことが安全でかつ安価、そして簡単な方法として考えられるとしています。

医療ジャーナリスト 宇山恵子
Annals of Family Medicine 2011年7/8月号

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