「夢を夢で終わらせないために」
女子W杯MVP澤穂希が語った「夢を叶えた先にあるもの」

緊急増刷!『直伝 澤穂希』より

 2004年のアテネオリンピック2ヵ月前に怪我をして手術をしたときは、「もうここまでかな」と思ったこともあります。そういった辛い時期に、すぐ逃げ出すことは簡単でした。でも乗り越えられたのは、夢を叶える、という意志があったから。乗り越えた先に、自分にしかわからない、とんでもなく甘美な喜びがあることを知っていたから、だから耐えられたんです。人によって夢の大小はそれぞれです。でも私に限っていえば、夢はいつまでたっても夢のままなのではなく、いつか現実にすべきもの、と考えています。今の私があるのは、この信念を貫いてきたからこそなのです。

 夢を手繰り寄せようとすれば、いつでも一生懸命になれます。決して無理をしているのではなく、自然と一生懸命になれるのです。すると毎日毎日が、その時その時が、とても充実したものとして感じられるようになります。私は以前よく「年なんかとりたくない! ヤダヤダ」と言っていましたが(笑)、今は年を重ねていくことが嬉しいといったら変ですけど、どんどん充実していっている気がします。

 サッカーにしても、年々視野が広がっていったり、次のプレーの予測が的確になったり、すべきことの判断が正確になっている、と感じます。すると、またサッカーがすごく楽しくなる。楽しいからまた調子に乗っていけるし、頑張れる。今は「次はどんな楽しみに出会えるんだろう」とワクワクしています。そのような気持ちになれることも含めて、ここ数年、28歳、29歳・・・と毎年本当に楽しかった、と思える1年を過ごしています。心の底から本当にそう感じられることって、そうそうあることではないと思うんです。だったら1回しかない澤穂希の人生を、思い切り楽しんじゃおう。今はそう思っています。

 サッカーのファーストステップ、技術といった専門的なことから、サッカー以外のメンタル、サポートまで、いろんな話をしてきました。これらは全てサッカーという私の夢がもたらしてくれた「財産」の一部です。これらの話が役に立つかどうかはわかりませんが、サッカーについても、サッカー以外についても、読んでくれた人のヒントぐらいにはなれば嬉しいです。みなさんにも夢を見つけてほしい、そして叶えてほしい。もし叶ったら、次はみなさんの「財産」を教えてくださいね。それまで大好きなサッカーをしながら待ってます。

澤穂希
『直伝 澤穂希』
(講談社刊、税込み1,680円)
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