患者にはとても言えない「病院の真実」後編

医者・看護師・事務員が明かす
週刊現代 プロフィール

 届け出るのは、執刀医自身でもいいし、看護師でも、麻酔医でもいい。またすべての手術を録画しており保存しています。こうした内部チェックのシステムが厳密化されています」(都内の大学病院外科医)

 報告を受けた案件は、医師で構成される調査委員会でチェックされる。そこでミスが明らかになったら、主治医、主任教授、安全管理の担当者が患者や家族に説明するという。

 ただし、ミスのすべてが患者側に説明されているとは言い切れない。

「病院が組織ぐるみで隠蔽するといったことはなくなりましたが、個人、科レベルで隠し通せるような案件だと、すべてを公表しているかどうかわかりません」(都内の総合病院の内科医)

 ただ吉原氏も指摘するように、医療ミスには難しい側面もある。患者側が、ミスがあったと思い込むことも少ないのだ。慈恵医大病院の三木医師はこう考えを語る。

「例えば手術を終えて数日が過ぎ、退院というときになって具合が悪くなり、再手術しなければならなくなったとします。その手術は、最初の手術をすれば起こりうる合併症のために必要となったのであり、そういう可能性は事前にきちんと説明してある。でも患者側からみると、医療ミスではないかと疑いたくなる。

 患者は最善の結果を期待する。医師は最善の努力をする。でも、最善の結果が得られないとき、その溝を埋められるのは患者と医師の信頼関係だけなのです」

死んだ後はどうなりますか

 治療の甲斐なく死を迎えた患者は、その後、どういう処置を受けるのか。

「生前、患者もしくは家族が『蘇生措置はしてもらわなくていい』と拒否の意思を表明している場合を除けば、例えば心筋梗塞で患者さんが亡くなっても医師はすぐに『ご臨終です』とは告げません。何人かの医師が集まり、強心剤を打ち、心臓マッサージを行い、心臓に電気ショックを与えるなどして蘇生を試みます。

 また会わせたい人がいる場合には、その方があとどれくらいで来られるのかを確認して、それまで若い医者が汗だくになって心臓マッサージを続けます。それまでは患者さんに生きていてもらうわけです。

 そして対面が終わったら、マッサージを止めて、死亡を確認して『○時○分、ご臨終です』と告げて初めて医師の仕事は終わるのです。こうした一連の流れは、病院はやるだけのことはやってくれたと遺族に納得してもらうための儀式という側面もあります」(都内の総合病院内科医)

 臨終の宣告後は、看護師らが遺体をきれいに拭き清め、手を胸の前で組ませ、死に化粧をほどこすなどの処置をしてくれる。その後、ストレッチャーで病院内にある霊安室に運ぶのだ。

 霊安室は、多くの場合、病院の地下に設けられている。そのわけはこうだ。

「病室には窓がないといけません。そのため必然的に地上に病室ができ、窓のいらない施設が地下にくるのです」(前出・内科医)