男性は女性よりも音の発生源を探り当てる能力が優れている!

 女性は男性よりも言語コミュニケーション能力や手の器用さや、微妙かつ細かな外見の変化などに気づく能力が優れており、男性は女性よりも数学的な推理・論理能力や地図や設計図を読み取って現実に対応させたり、クルマの縦列駐車が 上手だったりするような位置関係を把握する視覚的空間認知能力が優れていることなどが知られていますが、ドイツ・テュービンゲン大学のHans-Otto Karnath教授らがCortex2011年6月号に発表した研究で、男性は空間の音源を探り当てる「音源定位能力」も女性より優れていることが明らかになりました。

 教授らは、健康な聴覚能力に異常のない男女を対象に実験を行いました。実験内容は、音源の場所を指さすと同時に左45度の方向などと言葉で答えるもので、最初は実験室内で1つだけ音源があり、それを答えさせました。この音源が一つだけの音源定位テストの結果は、男女とも同様に完璧でした。次に室内に複数の音源があり、同時に音を発生させて指定された一つだけの音源から発生している音を聞き分け、その音源の場所を答えさせるテストが行われました。

 このような複数の同時に発生している複数の音源から一つだけを選別して聞き取る能力について心理学では、大勢の人が一斉に談笑、会話しているカクテルパーティで自分の興味がある人の会話や知っている名前などは自然と聞き取れてしまうことから「カクテルパーティ現象・効果」として知られています。

 この複数の音源から一つだけを答えさせるテストで、女性は男性に比べ正確に音源を答えることができにくく、反対方向の音源を選んでしまったりして、テストの結果が男性よりも悪いことが明らかになりました。

 この結果から教授らは、男性は女性よりも視覚的な空間認知能力だけでなく、聴覚的空間認知能力が優れており、こうした能力の違いは人類の進化の過程における性選択と自然淘汰によるものではないかとしています。

医療ジャーナリスト 宇山恵子
Cortex2011年6月号