2010.09.22
誤訳の嵐で失笑
サッカー日本代表ザッケローニ監督
「通訳の悲劇」
サッカー日本代表監督がようやく決まったが、8月31日のザッケローニ監督就任会見で、記者を当惑させるような「異変」があった。
「監督が話した分量に比べて、訳者の言葉が明らかに少なくて、『えっ、それだけ?』という感じでした。イタリア語の判る記者が『半分も訳していない』と言っていました」(会見に出席したスポーツライター)
通訳のあまりの拙さに、詰めかけたマスコミは騒然だった。来年1月のアジアカップの目標を聞かれ、
「絶対に(アジアの)主役とならなければならない」
と監督が答えたのを、
「まずトップ3に狙わないといけない」
今後の方針について、
「選手とよく話をし、よく理解した上で、どういう役割を与えるか決めていく」
と監督が言ったのを、
「日本とアジアのサッカーについて判らなければいけない」
と大胆に誤訳していたことも後に判明した。
こんな通訳が雇われた経緯について、代表に詳しいサッカー関係者はこう語る。
「通訳を務めた宮川善次郎氏は、プロの通訳ではありません。日伊のハーフということもあり、日本語は話せますが、本業はF1やサッカーのマネジメントです。今回、日本サッカー協会とザッケローニ氏の間をとりもって契約の調整をした。その流れで間に合わせ的に通訳もしたようです」
日本サッカー協会広報部はこう説明する。
「契約合意の翌日に就任会見と時間がなかったため、宮川氏に通訳していただきました。新しい通訳については現在人選中です」
監督選びも"その場しのぎ"だったと言われないよう、しっかり結果を出してもらいたいものだ。