今日からお前は富士山だ!
『松岡修造の人生を強く生きる83の言葉』

~弱い自分に負けないために~ 著者:松岡修造
松岡修造

 僕は富士山でした。だから、海外を転戦するときには富士山の写真を必ず持っていったものです。気持ちが崩れそうになると、その写真を取り出していました。今でも家には富士山の絵がたくさんあります。

 なぜ富士山かと言えば、僕のモチベーションを最も高めてくれるからです。日本一がポイントではありません。なぜか、僕らしさを取り戻すには富士山が最も近い存在でした。僕が決めたことですが、はっきりした理由はありません。

 美しい山という見た目と日本のシンボルという点で浮かんできたのかもしれません。そういうことも含めて、僕のモチベーションを高めてくれるのが富士山なのです。でも、富士山は見た目の美しさとは違って険しい山で、頂上にたどり着くのは大変です。

 僕は自分の目標を同じように捉えていたのかもしれません。今、自分がやっていることは大変だけど登り切ろうと。その頂上には富士山のような美しさがあると信じていたのでしょう。


人は応援されるよりも
認められるのを望んでいる

 今の世の中は要領のよさが際立って、汗をかいて、努力して、報われることが少なくなっているように見えます。だから、がんばっても疲れるだけだからと最初から「がんばる」ことに見向きもしない人がいます。

 僕は、がんばることはカッコいいと思います。「がんばれ!」という言葉も、いい言葉です。応援する側の気持ちが伝わって、言われた人の励みになる明るい言葉です。でも、「がんばれ!」は嫌いな言葉だと言う人もいます。そういう人は、「これ以上、どうがんばればいいんだ?」と思っているのでしょう。

 僕も本気でがんばっている人に、「がんばれ!」とは言いません。無理やり背中を押して、余計なお世話を焼いている感覚があるからです。

 そんなときは、「がんばれ!」ではなく「がんばっているね!」と語尾を変えて言います。同じように見えますが、まったく違う意味になります。

 「がんばっているね!」は、がんばっている相手の努力を認める言葉です。努力が認められれば、誰でもうれしい気持ちになります。

 応援している人が一所懸命がんばっている人のときは、「がんばれ! がんばれ!」ではなく、「がんばっているね!」と言ってあげた方が伝わりますよ。