春夏連覇! 興南 島袋洋奨 「783球に込めた沖縄の熱」

体重は5㎏落ち、左腕がつりながらも、
エースは酷暑のマウンドで投げ続けた

FORZA STYLE
右: 「小学生の頃は『バカ殿』が好きで欠かさず見ていましたね。今でこそ『クール』と言われていますが、仲間の前ではけっこうギャグも言います。どちらかといえば『ツッコミ派』ですね」(小学校の同級生)
左:「野球を始めたのは小学2年生からで、『志真志ドリームズ』のコーチに誘われたのがきっかけです。洋奨は実は右利きなんです。彼のお父さんが左投手用のグローブを買って来たので左投げになりました」(元チームメイト)

 決勝で奪った三振の数は4。甲子園で一試合に奪った数としては最も少ない。だが、島袋にとっては昨年から取り組んできた「理想の投球」に違いなかった。

 興南のスクールカラーであるオレンジ色のメガホンが揺れる優勝決定直後、お立ち台の島袋は高らかに「沖縄県民と勝ち取った優勝です」と語った。

 「彼は脚も凄く速くて、この時もアンカーを務めていました。スポーツ万能で、野球だけでなくバスケットやサッカーなど球技全般がうまい。ただ唯一得意でないのは水泳で、25m以上泳げないんです」(中学の同級生)

 今、沖縄は普天間基地問題で揺れている。その中での沖縄の勝利―、そこにも意義がある。本人は語りたがらないが、小6の時、自宅近くに米軍ヘリが墜落し、1万人が集まる市民集会で基地反対のスピーチをした経験がある。

「沖縄は本土から離れている島国ですし、昔は差別もあったと聞きます。でも、小さい島ですが、沖縄の野球が全国レベルになってきたなという気はします。こうして野球で勝つことによって沖縄に目が向くのはいいことですね」

 島袋は甲子園通算13試合に登板し、115回2/3を投げ、130個(歴代3位)の三振を奪った。今大会通算783球。173㎝の小さな身体で、沖縄へ熱い風を送り続けた。