春夏連覇! 興南 島袋洋奨 「783球に込めた沖縄の熱」

体重は5㎏落ち、左腕がつりながらも、
エースは酷暑のマウンドで投げ続けた

FORZA STYLE
 興南OBの我喜屋監督と強打の我如古盛次主将(左)。島袋は決勝後の夕食で、まずプチトマトを口に運んだ 〔PHOTO〕霜越春樹

「監督にそんなことを言われたのは初めてなので嬉しかったです。センバツや沖縄大会の時もありませんでしたから」

すべては決勝から逆算して

 小学生時代から"トルネード"投法を磨いてきた島袋が、初めて甲子園のマウンドを踏んだのは、高2の春、'09年のセンバツ大会だ。19三振を奪ったものの、終盤に崩れ初戦敗退。同年夏の初戦でも9三振を奪ったが、同じように終盤に崩れてサヨナラ負けを喫した。「島袋=三振」というインパクトは残したが、スタミナ不足とピンチでの脆さを克服しなければ勝利に届かない。沖縄に戻った島袋の課題ははっきりしていた。

「僕の投球フォームだと、疲労で一度バランスを崩したら、身体が横に倒れてしまい修正が難しい。去年の夏に負けた後、走り込みだけでなく器具をかつぎながらスクワットを行ったことで、下半身が安定し、投球動作の軸ができた」

 代名詞"トルネード投法"。「下半身から打者に向かっていくことを意識した独自のフォームです」(島袋) 〔PHOTO〕霜越春樹

 また、MAX147㎞/hの直球に頼らず、変化球を散らし、打者の打ち損じを誘うような投球術も身に付けた。

「2年生の夏までは力勝負だけをしていた。だから終盤に打線に捕まってしまった。秋に新チームとなってからは、変化球をうまく使うことで、試合の序盤と終盤で配球の組み立てを変える工夫もできるようになりました」

 今春のセンバツ優勝後は、沖縄県民悲願の夏制覇の期待を背負い、連投にも耐えうるスタミナ作りと、暑さ対策に力を入れた。

 沖縄大会期間中も連日200球もの投げ込みを行い、蒸し暑さ対策としてユニフォームの下に雨合羽を着込んだ。

 加えて、その際のインタビューでは、新球を習得したことも明かしてくれていた。