ツイッターの画期的な点の一つは、これまで可視化されることが無かった「人々の些細なつぶやき」をオンライン上に表出させたことです。
例えば、「マックで現代ビジネスの原稿書いてるなう」という私のつぶやきは一見価値の無いものですが、マクドナルドの社員の方々、現代ビジネスの編集者の皆さん、私の食生活を心配する母などにとっては一定の価値のあるものです。
この場合、マクドナルドの社員にとっては「ご利用有難うございます」というお礼を、編集者にとっては「お疲れ様です」という労いの言葉を、母にとっては「野菜もしっかり食べなさいね」という言葉を投げかける機会となりえます。
消費者が自らつぶやくようになったことは企業にとって意義のある事実です。これまで容易には聞き出せなかったような情報も、ツイッターを通して得られるようになってきています。
こうした動向を受けて、顧客のつぶやきをカスタマーサポートに活用する取組みが増えてきています。今回はソフトバンクの取組みをご紹介します。
ツイッターで53万人以上のフォロワーを持つ孫社長には毎日数百件に及ぶメッセージが送られています。(ツイッター検索を用いて、私たちはそれを見ることができます)。
孫社長に送られてくるメッセージの中には、電波や製品に関するクレームなど、カスタマーサポートとして対応すべきものも多く含まれています。ソフトバンクはいくつかのツイッターアカウントを運用して、そうしたクレームや問い合わせに対応しています。
例えばSBMカスタマーサービス担当のアカウント(@SBCare)では、
「@masason BBモバイルポイントに加入してるのですがソフトバンクWi-Fiスポットでもパソコンが繋がるようには出来ませんか?」
という孫社長に宛てられたつぶやきに対して、
「失礼します。SBCareです。ソフトバンクWi-Fiスポットに関するツイート拝見しました。申し訳ございませんが、現在はソフトバンク携帯電話専用のサービスです。ツイート内容は担当に伝え、今後のサービス向上の参考とさせていただきます! ツイートありがとうございました☆」
と、このような返答を返しています。
電波状況に関する対応を行う「SBMエリア担当」のアカウント(@SBCareDenpa)でも、同様に顧客サポートを提供しています。非常に高い頻度で顧客に対してメッセージを投稿しており、企業のツイッター活用事例として注目に値します。
ツイッターを活用したカスタマーサポートは、米国ではケーブルTV大手のコムキャスト(@comcastcares)、家電小売のベストバイ(@Twelpforce)、航空会社のジェットブルー(@JETBLUE)などが知られています。
ソーシャルメディアの浸透が進んでいる米国では、比較的ポピュラーな取組みとなっています。