間違いだらけの「家庭の医学」

時代は変わった。あなたの常識は現代医学の非常識
週刊現代 プロフィール

「悪酔いしたくないのであれば、飲む前に何か食べるか、食べながら飲むのがいい。食べるものは何でもよく、要はすきっ腹の状態でお酒を飲まないことが、一番の特効薬です」(米山医師)

 小さい頃、親に教えられた「常識」にも、覆されたものが多い。

Q7/暗い所で本を読むと目が悪くなる?

 人間は、近くを見ている場合と遠くを見ている場合とで、水晶体(目の中のレンズ)の厚さを変えてピント合わせをしているが、暗いとその力が余計に必要になる。

「だからまだ成長の過程にあって近視が進行中の子どもの場合、余分な調整力を持続的に強いられると、近視がより進行する可能性があります」(前出・石岡医師)

 しかし、大人はどうか。

「少なくとも近視の度数進行がすでに止まっている大人の場合は、『目が疲れることはあっても、目が悪くなることはない』という考え方が一般的になりつつあります。要するに、暗い所で本を読むと一時的に目の疲労が原因で見えづらくなったとしても、それが視力の低下にはつながらないというわけです」(同)

Q8/魚の骨がのどに刺さったら、ご飯を飲み込めばいい?

「そんなことを耳鼻咽喉科の先生に話したら、怒られてしまいますよ」というのは、前出の森田医師だ。

「ごく浅く刺さっている場合、ご飯をひと固まり飲み込むことで難を逃れた人が多いことから、このような間違った医学知識が広まったのだと思います。

 しかし、もし骨が深く刺さっていたら、ご飯を飲み込むことでそれがますます深く刺さってしまい、最悪の場合、手術して取り除かなければならなくなることもあります」

 正解は、ご飯ではなく、水をゴックンと飲んでみること。

「浅い骨の刺さり方なら、水によって十分抜けるはずです。それでも取れないようなら、深く刺さっている可能性があるので、耳鼻咽喉科に行って抜いてもらうのが良いでしょう」(森田医師)

 コーヒーといえば、眠れなくなる、胃が荒れるなど、健康とは遠いイメージの嗜好品だった。

「ところが近年、糖尿病の発症を防ぐとか、がんの発生リスクを低減させるなど、体にいい働きをするという見方が強まってきています」(『病気にならない新常識72」著者の秋津壽男医師)

 昨年、国立がん研究センターが公表した研究報告を紹介しよう。40~69歳の男女約2万人を対象に13年間追跡調査したところ、毎日3杯以上コーヒーを飲んでいる人の肝がんリスクは、ほとんど飲んでいない人の約2分の1に過ぎなかった。コーヒーに含まれるクロロゲン酸とカフェインが、肝がんの予防に関わっていると考えられる。

 米国立がん研究所も、C型肝炎の進行リスクを半減させるとの研究結果を昨年発表している。