1500人を80年間追跡調査 米国研究資料「長寿と性格」

陽気で楽観的な人は短命/離婚、妻と死別した男性も短命/
オーガズムを多く体験した女性は長生き

週刊現代 プロフィール

「愛されている」ことを実感できる深いつながりより、単純に人と接する機会が多ければ多いほど、いいというのだ。

 この指摘について前出の高良教授が語る。

「私は心に"ゆとり"や"余裕"を持ち、自分の居場所のある人が健康で長生きすると思っているので、社会的ネットワークの広い人ほど長寿だという指摘には、我が意を得ました」

 とすれば、健康で長生きするためのもっとも簡単な投資は、社交の輪を広げることなのかもしれない。

生涯独身の男性は長生きする

 一方、対象者の結婚生活に目を向けると、男女において寿命に与える影響が全く違うことが明らかにされている。

「結婚という点で考えるなら、もっとも長命だったのは、一人の奥さんと生涯連れ添った男性で、その多くが70歳以上まで生き、奥さんに看取られて亡くなっています」(フリードマン教授)

 この調査で次に長生きするのが意外にも生涯独身の男性。最も短命なのは離婚後、再婚をしなかった男性で、その65%以上が70歳に達する前に亡くなってしまっている。そして妻と死別した男性は、そのほとんどが数年後に息絶えた。

 一方、女性に関しては男性とはまったく違う興味深い結果が出た。夫と離婚しても、あるいは夫に先立たれても、それは彼女たちの寿命にほとんど影響を与えないことがわかったのだ。

 彼女たちは総じて長寿であり、むしろ夫がいなくなってからの方が生き生きと健康になったケースが目立つ。概して結婚生活の充実が男性にとって重要であるのに対し、女性には大きな影響がないのである。

 フリードマン教授が解説する。

「仕事を持つ男にとって、毎日は戦いの連続ですから、結婚生活の幸せが支えになる。もともと一人の独身男性はいいのですが、愛する妻に先立たれると多くの旦那さんがガックリきて生きる意欲を失ってしまう。

 では女性はどうかというと、重要なのは何とオーガズムの回数なんです。夫婦間のセックスで、絶頂に達する頻度がより多い人ほど長寿だったのです。理由はまだはっきりしていませんが、興味深いデータです」

 結論からいうと、男性は、真面目で常に仕事に意欲を燃やし、夫婦円満で、適度に社交的であれば、もっとも長生きできるということになる。

「この本を読んで、確かにうなずける点も多い。結局は自己の評価と他者評価のギャップが小さい人ほど、長生きできるのかもしれない」(前出・久保院長)

 当のフリードマン教授は、「誰かに愛されているという実感より、社会や家族から必要とされている実感の方が、人を長生きにする。哲学的に聞こえるかもしれないが、それが科学的事実なのだ」

 と言う。そして、根が不真面目だったり、悲観的だったりする人でも、「性格は変えられる」とフリードマン教授は言う。

「自己診断の点が低かったからといって、諦めることはない。たとえば対象者の一人だったジェームズ氏は、子供の頃、目立ちたがり屋の人気者で、『conscientious』の指数はとても低かった。ところが、20年後の調査では、対象者の中で上位25%に入るまで高くなり、実際80歳近くまで生きました」

 時間はかかる。でも人は努力によって、性格を変えていくことができるのだ。
そしてそれが、長寿への最短距離なのかもしれない。

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