2011.07.20
# 雑誌

1500人を80年間追跡調査 米国研究資料「長寿と性格」

陽気で楽観的な人は短命/離婚、妻と死別した男性も短命/
オーガズムを多く体験した女性は長生き

週刊現代 プロフィール

 ドミトリクが受けたストレスがいかに大きかったかは、想像するに難くない。ところが彼は世間の非難や罵倒の嵐を受けながら、転向後、より監督業に精を出し、ハンフリー・ボガート主演の『ケイン号の叛乱』など代表作を次々と生み出した。クラーク・ゲーブルやエリザベス・テイラーなど、当時の大スターが出演する大作を撮り続け、90歳まで生きた。フリードマン教授が言う。

「私たちの調査でも、悲観的すぎる人間は短命だという結果が出ている。過度のストレスが体に悪いことも事実です。たとえば、調査対象者のなかには、幼少期、教師に叱られただけで『すべて私のせいだ』と思い込んでしまう少女がいました。そうした思考の人は、その多くが人生の上でアクシデントを抱え、キャリアにおいて成功をおさめることができなかった。

 しかし、ドミトリクはそうしたストレスより、仕事で評価されることを強く望んだ。言い換えるなら、彼は常に野心や向上心を持ち続け、大変なストレスを感じるような場面でも、決して困難から逃げなかった。だからこそ、彼は長生きすることができたのです」

 たとえ幼少期にストレスを抱え、長ずるに及んで仕事上の困難と直面しても、それを克服し成功を手に入れれば、それは長生きへのプラス材料になるのだ。

愛される必要はない

 前出の久保院長は、仕事の成功が、結果的に寿命の長短にかかわっている事実に驚いたと言う。

「仕事で成功した人が、成功を実感していなかった人に比べて、平均で5年以上長生きしている。仕事に限らず、引退後に資格や賞を取るために努力を続けた人は、長寿を全うした。

 日本の心療内科などでは、仕事上のストレス解消のために趣味をもつことがいいとされてきた。しかし、仕事上の満足を得るということは、代替のきかない健康法なのかもしれません」

 調査対象の中でも、特に男性にとって、生産性のある生活を送ることは、長寿の獲得に密接な関係がある。その背景には、長生きにとって、「社会とのつながり」が大きな要素となっていることがある。

 しかし、その「社交性」の質についても、「今までの俗説を打ち砕く結果になった」と、フリードマン教授は主張する。

「今までは、生きていく上で『他者から愛される感覚』が必要だと言われていました。それが、今回の結果では、愛されている実感は、寿命に直接影響することがなかった。
むしろ知人、友人が多く、定期的に会う相手がたくさんいる人ほど、つまり社交ネットワークが大きい人ほど、長生きできるということがわかったんです」

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