ヤクルト由規 日本球界最速「162㎞/hは自分にしか投げられない」

"号泣王子" "マメ規"と呼ばれた男が、日本人最速158㎞/hを連発して勝ち星量産
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プロ初完封を飾った8月5日の中日戦は三塁を踏ませぬ完璧な内容。126球の熱投で神宮のファンを沸かせた

 今年、初めて海外で自主トレを行ったことも意識改革のあらわれだった。米・アリゾナ州のトレーニング施設「アスリートパフォーマンス」に足を運び、松坂大輔とも練習をともにした。

「松坂さんからは『若いうちに投げ込め』と言われました。松坂さんは日本時代にキャンプでは合計2000球は当たり前のように投げていたらしいんです。それに比べて僕は600~700球ぐらいでした」

 2月の沖縄・浦添キャンプでは松坂のアドバイスの通り、投げ込みを自らに課した。指先の皮膚を強くするため、マメがつぶれても血染めのボールをキャッチャーミットに投げ込んでいった。

「今年は試合でマメがつぶれても、投げ続けなければいけないと覚悟していた。マメがつぶれた時の対処法を、キャンプのうちにいろいろ試しておきたかったんです。ただ・・・やはりマメができると思ったように投げられない。そんな時に、伊藤智仁・投手コーチから『ボールの握り方がおかしい』と指摘されたんです」

 由規にとっては衝撃だった。それまではボールの縫い目に対して深く握っていた。それゆえ、マメも指の腹の部分にできていた。