黒川光博[虎屋社長]×壬生基博[森アーツセンター副理事長]×犬丸徹郎[帝国ホテル東京副総支配人]
初公開"軽井沢会"をご存じですか

セオリー

次代に伝えたい軽井沢の自然と良きコミュニティ

壬生 そうは言っても、まだ軽井沢には素晴らしい自然が残っています。このことに感謝しつつ、それをどう次世代に繋げていくか。避暑地のコミュニティをどう維持していくかを考えなくてはならないと思いますね。

 そのためには別荘客だけではなく、地元住民とも一緒にコミュニティを作っていく。その一つが、2005年から始めた、テニス・トーナメント「軽井沢フューチャーズ」の開催です。この大会でポイントを獲得することが世界四大大会出場の条件なので、世界中からプロ選手が参加します。

 6月の閑散期に開催することで、その間、地元の商店にお店を開けてもらい、応援ムードを盛り上げたい。また、出場する地元の選手を一緒に応援する。そんなトーナメントに成長させたいですね。

 今も年に一度、夏に軽井沢で開く理事会の折には地元の町長や商工会長の方々と懇談していますが、共に軽井沢の良き伝統を保っていくために、軽井沢会という組織を役立てたいと思っています。

--かつては夜遅くまで賑わった軽井沢銀座に、最近は別荘族が行かなくなったという声もあります。

犬丸 夜はむしろアウトレットの方が涼しくて人気があるみたいですね。夜8時、9時ぐらいに行くと空いていて、Tシャツから意外な掘り出し物まで、洋服も安く買えますよ。

壬生 私は、長野新幹線の時間を見て、次の電車まで空いている時にアウトレットに行きますよ。駅から近いですからね。この間はテニスシューズを買いました。そういえば、軽井沢会のテニスコート通りにあったスポーツ店がなくなったでしょう。

 この前、テニスボールを買おうとしたけど、どこにも売っていないので、プリンスホテルのテニスコートに行って、ボールを分けてもらいました(笑)。

代々の付き合いが続く軽井沢には、数少ないリゾート・コミュニティがある

犬丸 今は新しい店がたくさんできていますが、顔なじみの別荘族が集まる場所として、地元の老舗が健在なのは嬉しいですね。「フランスベーカリー」のおばさんや中軽井沢の蕎麦屋「かぎもとや」のおじさんも元気だし、「デリカテッセン」には今も行きます。それに何といっても「サンジェルマン」のハンバーグ。久しぶりに行っても味が全然変わってない。あそこは、不動です。

黒川 昔馴染みの「赤坂飯店」には、そば一杯でも食べに行きます。

犬丸 旧軽井沢の「わかどり」は先代からの馴染みですが、今は息子たちが通ってますよ。

壬生 軽井沢の良さは、素晴らしい自然に恵まれていることと共に、日本では数少ないリゾート・コミュニティがあることでしょうね。

 毎夏、軽井沢会のテニスコートや集会堂や軽井沢ゴルフ倶楽部で、昔からの知り合いを見かけるだけで、「ああ、今年もまた来ているな」と安心する。

 そうしたお付き合いが、世代を超えて綿々と繋がっているのも、軽井沢の別荘地コミュニティの特徴です。

 私たちも子供の頃から、そうした軽井沢暮らしを経験してきましたが、それをこれから子供たちの代にも伝えていきたいですね。

[聞き手・構成:桐山秀樹 編集:見田葉子]