週刊現代永田町ディープスロート

2011年05月30日(月) 週刊現代

石原慎太郎に捨てられた松沢成文の「就活」

 ちょっと気の毒な53歳がいる。現在、就活中。1ヵ月ほど前までは改革派知事として名を馳せていた松沢成文前神奈川県知事だ。

「どこか大学で授業でもできないかなあ」

 と、永田町関係者などに尋ねて歩いているという。

 エリート知事だった松沢氏の人生が狂ったのは、石原慎太郎ファミリーによるお騒がせ都知事選に巻き込まれたためだ。石原氏が一旦は不出馬を漏らし、秘書軍団の一部が、首都圏構想で石原氏を信奉していた松沢氏を引っ張り出した。

 ところが、マスコミや政党の支持率調査で松沢氏は東国原英夫前宮崎県知事に歯が立たないことがわかった上に、この結果をネタに自民・公明が石原氏を必死で口説き、4選出馬へと翻意させてしまったのだ。

 ワリをくった松沢氏だったが、「出馬辞退の見返りに副知事などの要職で処遇し、石原都知事の後継に指名するという条件で降りる話がついた」(自民党幹部)はずだった。だが、この約束がアダとなる。

「退路を断って鞍替えを決意した松沢氏を気の毒に思い、石原出馬表明の席を松沢氏との共同記者会見にした。その上で石原さんが『今後も力を合わせる。松沢さんには都の仕事に就いてもらうつもり』と宣言した。これがまずかった」(同)

 公職選挙法は「立候補をやめたことの報酬として、立候補予定だった人物に公私の職務の供与を行うこと」は、買収行為に当たると規定しているからだ。これで石原氏は大慌て。あっさりと副知事起用を諦め、哀れ松沢氏は浪々の身となったのである。

 都庁職員の間では、石原都知事は任期半ばの2年で辞めるというのが共通認識。石原氏が80歳になるという年齢の問題と、自民・公明両党が2年後の都議選とのダブル選挙にして勝利を目論んでいることなどがその理由。都議会自民党幹部は、「後継候補は斬新な人を立てる。松沢なんかあり得ない」と冷たく断言する。

 石原ファミリーに振り回され捨てられた松沢氏の職探しは、まだ続きそうだ。

 

現代ビジネスブック 第1弾
田原 総一朗
『Twitterの神々 新聞・テレビの時代は終わった』
(講談社刊、税込み1,575円)
発売中

amazonこちらをご覧ください。

楽天ブックスこちらをご覧ください。