ディナーの支払いの中で、お酒の占める割合は、洋食と和食では随分違う。フレンチやイタリアンではワインを飲むことが多い。ボトルで、ということになると、どうしても支払い金額は大きくなってしまう。さらに食前酒やら、食後酒やら、贅沢をしだすと洋食はキリがない。
その対策として、第3回(「女性との特別な日に懐を気にしないで"泡モノ"を優雅に楽しむ方法」2010年3月4日公開)で「泡モノで通す」という荒業を紹介したが、無理せず和食で、というのがオーソドックスな方法だ。
ただし、本格的な和食のお店は、料理の価格がジャンプ。トータルでフレンチなんかより、高くなってしまう。お寿司もそれなりの値段にはなる。そこで、私が狙うのは、日本酒と料理にこだわる"居酒屋"だ。
「岡永倶楽部」名物のはんぺん。一緒に出てくる特製ソースをつけると、さらに美味しい。たとえば、馬喰町にある「岡永倶楽部」。倶楽部という通り、会員制のお店であるが、日本酒初心者でも丁寧に対応してくれるので安心だ。ここでは銘柄を指定するより、店主の村越さんにお任せしてしまったほうがよい。
気の利いたおつまみに合わせた色々な種類のお酒をマリアージュして出してくれる。寒い日に行くと最初のお酒はぬる燗で、その後はキリッと辛口で・・・といった具合に、村越さんの優しい気配りが感じられるのもうれしい。
料理も充実しているが、名物のはんぺんは、他にはなかなかないメニュー。注文すると面白い。
日本酒の名店と言えば三軒茶屋の「赤鬼」も外せない。三軒茶屋駅から歩いて数分。商店街のはずれに路地裏にある一見冴えない普通の居酒屋であるが、日本酒のメニューを見ればこの店の凄さがわかる。なかなかお目にかかれない十四代が全銘柄揃っていて、この店のオリジナルバージョンがあったりする。
ここでは二日酔いにならない魔法のお水を飲みながら、お刺身から注文していくのが良い。全体にお魚料理は鮮度が高くお勧めだが、新鮮な魚介類以外の料理も充実。手作り感溢れていて、どれもお酒に合うように工夫されている。
写真は「井のなか」。(次頁参照)日本酒が揃っている居酒屋は、単価も抑えながら「価値 > 価格」になっているお店が多い。
品揃えが豊富で品質管理の行き届いた、日本酒にこだわりのあるお店に行って、おススメのお酒を飲めば、今までの日本酒に対する見方が変わるはずだ。
日本酒なら、極めても値段はワインとは比較にならない。たまにはこんなバリューな選択も良い。
が、この手の店は、行く人を選ぶ。少なくとも初対面の人と行くお店ではない。気心が知れた、居酒屋の雰囲気を楽しめる人と行かないと逆に気まずい展開になってしまう。「お子ちゃま」と一緒に行くのではなく本当の大人を連れて行って一緒にしみじみ楽しむ店だ。
ちなみにどちらのお店も満席だった場合、周囲のお店を探すのは難しい。行くと決めたら早めに予約しておこう。
価格を抑えたい日は
品質と品揃えにこだわる居酒屋で"日本酒を極める"
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◎こちらの「こだわりの日本酒が揃った居酒屋」もおすすめです
「肴や味泉」(月島)
居酒屋評論の第一人者である太田和彦氏も大絶賛する、東京を代表する名居酒屋の一店。築地から近い地の利を生かした、魚料理が中心のメニューには、奇をてらったものはないが、どれもが正統的に美味い。中でも、煮穴子と自家製さつま揚げは絶品。
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「井のなか」(錦糸町)
ご主人・工藤氏は、お燗をすることにより広がる日本酒の味わいに魅了された人物で、お酒をそれぞれのベストの温度で飲ませてくれる。イタリアンと和食の中間を目指したという料理はオリジナリティー豊か。アラカルトでもOKだが、まずは豪快なメインディッシュが楽しめるコースがお薦め。
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「築地 ねこ屋」(築地)
元ナースにして利酒師、丸顔・癒し系のおかみが一人で切り盛りするカウンターダイニング。お店を開くまでに数百店を飲み歩き、研究した成果を存分に発揮して選んだ、日本酒のラインナップには絶対の自信を持つ。家庭の味を彷彿とさせるメニューが多く、男性が大半を占める常連客に人気。
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株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長。1986年東京大学経済学部卒業。91年、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)。住友信託銀行、シュローダー投信投資顧問株式会社、マネックス証券などを経て2005年11月より現職。「日経マネー」などの雑誌での連載コラムや、テレビ、ラジオのコメンテーターとしても活躍。また、早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学をはじめとするマネーセミナーや講演活動も行う。主な著書に10万部を超えるベストセラーとなった『内藤忍の資産設計塾』(自由国民社)シリーズのほか、『60歳までに1億円つくる術』(幻冬舎)『初心者は株を買うな!』(日本経済新聞社)、『内藤忍の「好き」を極める仕事術』(講談社)など多数。
監修:小関 敦之(こせき・あつし)
TVチャンピオン「築地王選手権」優勝。『築地で食べる』(光文社新書)など、築地関連書籍を次々と発表。築地歩きの第一人者として活躍する傍ら、『東京ランチレボリューション』(東京書籍)など独自の「食」人脈を生かしたグルメ本のプロデュースも手がける。また、近著『築地じこみの魚の肴』(東京書籍)ではレシピ本デビューを果たす。ちなみに本業はサラリーマン。



