週刊現代経済の死角

2011年03月08日(火) 週刊現代

株主総会直前に「怪死」
100円ショップ社長の後継者

 いくら「孤独死」が珍しいものではなくなったとはいえ、上場企業の現役社長が「孤独死」するとは誰が想像できただろうか。有名100円ショップチェーン「キャンドゥ」の城戸博司社長が、2月20日、都内の高級マンションの一室で死後数日が経った状態で発見された。

 一部上場企業の社長の安否を、社員や家族の誰も気に留めていなかったことは不可解であるが、一代でキャンドゥを有数の小売チェーンに育てた城戸社長が、61歳で亡くなったことにも疑問が残る。実はこの1年、城戸社長は心と体の双方を病んでいたという話が、関係者からもれ伝わってきた。

「死因は肝不全。飲むのが好きだったので以前から肝臓が悪く、それが悪化したと聞いています。ただ、ここ最近は特に酒量が増えていたようです。その理由として、株主総会が間近に控えていたことがあったのではないか」(キャンドゥの取引先企業の幹部社員)

 同社の株主総会は2月25日に開催。実は、城戸社長はこの株主総会への出席を恐れていた、という話がある。どういうことか。

「昨年の株主総会で、当時24歳の社長の息子が取締役になることが発表されたのですが、株主らは納得せず、総会は紛糾。『そんな若僧を取締役にして、会社は大丈夫なのか!』という声が飛び交ったのです。社長はこの総会を『病気』を理由に欠席したのですが、それも株主らの批判の対象となり収拾がつかなくなるほどでした」(同取引先幹部社員)

 結局、司会が強引に押し切る形で総会は終了。しかし、このことによって同社と株主の間にしこりが生じたのは間違いなかった。キャンドゥの関係者は「社長の息子は何年も前からキャンドゥの経営に携わっており、周囲からもビジネスの才覚を認められていた。

 しかし傍からはただの身内優遇にしか見えないため、今年の株主総会でも、株主たちが息子の処遇を問題視することが想定され、社長は頭を悩ましていた」と語る。

 社長の死が報じられたその日に、息子が代表取締役に就任することが発表された。後継者はこの難局をどう乗り越えるのだろうか。

 

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