磯山友幸「経済ニュースの裏側」

ガラパゴス化する日本のコーポレート・ガバナンス〜なぜ今、海外投資家が懸念するような独自の制度を?

2016年03月23日(水) 磯山 友幸
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【PHOTO】gettyimages

理解不能な日本の仕組み

2015年5月の会社法改正では、上場企業への社外取締役の実質的な義務付けに焦点が当たったが、そんな中で、世界に例を見ない日本独自の制度が導入された。「監査等委員会設置会社」と呼ばれる仕組みだ。

それまでの会社法では「委員会設置会社」といえば、社外取締役が過半を占める「指名委員会」と「報酬委員会」、「監査委員会」の3つを設置することが義務付けられていた。ところが、新制度では、指名と報酬の委員会は置かず、監査委員会だけを置けばよい。しかも、従来からの監査役制度を廃止することができる。

当初は国際的に理解を得にくいこの新制度を導入する会社は多くないとみられたが、実際は導入する企業が相次ぎ、今年6月の株主総会シーズンまでに400社以上の会社が新制度に移行する見通しになっている。

そんな中で、今週3月25日に株主総会を開く東京証券取引所市場1部上場のオプトホールディング(以下オプト)で、同制度を巡って、会社側と投資ファンドが真正面から激突している。オプトは総会で新制度への移行を決議する考えだが、これに同社株を約5%保有するRMBキャピタル(米国・シカゴ)が反対する姿勢を打ち出している。

RMBは富裕層などから資金を預かり長期投資を行っているファンドで、別会社から引き継いだファンドを通じて2012年頃からオプトに投資している。運用しているポートフォリオ・マネジャーは野村証券出身の細水政和氏で、細水氏はオプトの鉢嶺登CEO(最高経営責任者)にも会い、積極的に「対話」を繰り返してきた。

オプトに対してRMBは、買収防衛策の廃止や大量に保有する自社株の消却を求めてきた。オプト側は買収防衛策の廃止は受け入れたものの、その後、監査等委員会設置会社への移行を打ち出し、これにRMB側が反発している。

「私たちはオプトにコーポレートガバナンスの強化を求めているのですが、なぜ指名委員会と報酬委員会を置かない制度に移るのか。この2つの委員会がない監査等委員会設置会社にはRMBの米国人たちも理解できないと言っています」

そう細水氏は語る。

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