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2016年02月14日(日) 舩越 園子

松山英樹の「勝利」を米国メディアはどう報じたか

76ホールの死闘の末に

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〔PHOTO〕gettyimages

文/舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)

勝者と敗者、勝ち方と負け方

勝者が生まれれば、そこには敗者も生まれる。負けた側の存在感が大きいと、勝者より敗者のほうがフィーチャーされることがある。

2009年の全英オープンは、まさにそうだった。世界のメディアは優勝したスチュワート・シンクより惜敗したトム・ワトソンのストーリーを格段に大きく報じた。英国の地元紙の一面には、クラレットジャグを抱くシンクが端っこに立ち、そのシンクを複雑な表情で見つめるワトソンが中央に据えられてクローズアップされた写真が掲載されていた。

その10年前の1999年全英オープンも敗者のストーリーが大きく報じられる結末になった。優勝目前まで迫りながら大崩れしたジャン・バンデベルデの負け方は、以後、そして現在も、「なぜ、そんな無理をしたんだ?」という負け方の例えに使われ続けている。

あのとき勝利したのはポール・ローリーだったが、あの大会は「ローリーが勝った大会」というよりは「バンデベルデが自滅した大会」として、人々の記憶に残った。

松山英樹が勝者に、リッキー・ファウラーが敗者になった先週のフェニックス・オープン。2人の若者の激しい競り合いは見応え十分で、日曜日にTPCスコッツデールに詰め寄せた6万5000人の観衆もテレビ観戦していたゴルフファンも、文字通り、手に汗握りながら2人の一挙一動を見守る展開だった。

とはいえ、「リッキー」「USA」を連呼する大観衆の声援は明らかにファウラー贔屓。その中で、最終的に勝利したのはアウェイの松山。日本では「松山が勝った」と報じられることは言うまでもないが、果たして米メディアは、この勝者と敗者、この勝ち方と負け方を、どんなふうに報じるのか。そこに秘かなる興味があった。

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