田崎史郎「ニュースの深層」
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鈴木宗男「娘が自民党入り」のウラ事情〜民主党の地盤沈下が止まらない

2016年02月09日(火) 田崎 史郎
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子を思う気持ちは人一倍強い【PHOTO】gettyimages

報道と事実が逆になっている

最近の政治報道を見て、これは事実とは逆ではないか、と思うときがある。政治にはいろんな見方があって当然だし、立場が違えば見方も変わる。そうであっても、どう見るかを考える際、それは事実に基づくものでなければならない。

新聞やテレビで報道されることがすべて事実とは限らず、その真偽を見極めることも大事だ。これから書くことは自分が取材した事実に基づく。私の取材がすべて正しいと言い張るつもりはない。でも、自分の取材力を信じて記してみたい。

私がここで書くのは、地域政党「新党大地」代表の元衆院議員・鈴木宗男の長女で、民主党所属の鈴木貴子が自民党入りを取りざたされている問題についてだ。

鈴木貴子は2012年12月の衆院選北海道7区で、公民権停止中の宗男に代わって新党大地から出馬した。同区で自民党の伊東良孝に大差で敗れ、比例代表北海道ブロックでも復活できなかった。

しかし、同ブロックで当選した石川知裕が13年5月、生活の党代表・小沢一郎の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件の裁判に専念することを理由に衆院議員を辞職。貴子が繰り上げ当選した。

貴子は14年12月の衆院選では民主党から出馬、伊東に225票の僅差で敗れたものの、比例代表同ブロックで復活当選した。政調会長・細野剛志の「自誓会」に所属している。先月30日の党大会では、大会運営の議長を務めた。

1月末から始まった貴子をめぐる報道は当初から「民主・鈴木貴氏の引き抜きを検討 自民、大地との協力視野」(1月31日付朝日新聞朝刊)という構図で伝えられた。今月5日朝刊には「議員引き抜き 自民触手 民主・鈴木貴氏らに照準 改憲議席確保へ『布石』」(朝日新聞)、「自民なりふり構わず 新党大地と連携強化 鈴木貴子氏引き抜きも」(日経新聞)というまとめ記事が掲載されている。

これらの記事だと、自民党が鈴木貴子に積極的に働き掛けているという構図になる。しかし、私の取材では真逆だ。

昨年12月28日午後、首相・安倍晋三は官邸で鈴木宗男と約40分間会談した。この席で宗男は前衆院議長・町村信彦死去に伴う衆院北海道5区補欠選(4月24日投票)で、大地が自民党公認候補を推す方針を表明し、安倍が御礼を述べると、間髪を入れずこう頼み込んだ。

「貴子を自民党に入れてくれ」

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