山崎元「ニュースの深層」
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内部告発をやるなら、甘利事件の告発者の手法に学ぶべし

2016年02月06日(土) 山崎 元
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【PHOTO】gettyimages

読売新聞を読めば分かること

アイドルグループSMAPの事務所離脱騒動が話題を集めた時、ネット界隈では「この騒動で一番得をしたのは、ベッキーではないか」という声が上がった。タレントのベッキー氏がミュージシャンの川谷絵音氏と不倫交際していた問題が、SMAPの話題の影に隠れたからだ。

しかし、ベッキー氏には気の毒なことだが、この問題には世間の関心が高く、関連報道は収束せず、同氏は実質的に休業状態に追い込まれた。

SMAP・ベッキー問題と似た話が聞こえてきたのは、甘利明・前TPP担当大臣の辞任発表(1月28日)の翌日に、日銀が「黒田バズーカ第3弾」とも呼ぶべきマイナス金利政策を発表して話題を集めたことだった。マイナス金利を巡る報道で、甘利前大臣の辞任の印象が薄れたとの見立てだ。しかし、こちらの問題も、まだまだ収束しそうにない。

甘利前大臣を巡る報道は極めて具体的であり、証拠となる物が揃っているような印象を受ける。捜査当局も、何もしないわけには行かないだろうし、もちろん野党も国会でこの問題を追及するだろう。

もっとも、甘利氏の問題が話題を集めて時間を食う場合、追及されていた別のより小物の大臣が、この問題に隠れて得をするのかもしれない。

根拠の示しようはないのだが、甘利大臣の辞任は、発表の数日前から既定路線だったのだろうと、筆者は感じていた。理由は複数あるのだが、一つ例を挙げると、25日月曜日の『読売新聞』朝刊が、甘利氏は早く辞任した方がいいという与党の参議院議員(匿名)の声を報じており、甘利氏を突き放した印象の記事を書いていたからだ。

安倍政権が物事をどう判断しているかが鍵になる問題は、政権に批判的な論調が多い『朝日新聞』よりも、読売新聞を読む方がよく分かることが多い。読売の論調に変化が見られたり、朝日が書いていないことが読売に書かれていたりする場合、それが政権内の重要な動きに対応していることが多い。複数の新聞にアクセス可能な方は(オフィスや図書館などで)、両紙を比較してみると、参考になる場合が多いはずだ。

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