愛の履歴書
2016年01月28日(木) 小野 美由紀

なぜ日本の男は苦しいのか?
女性装の東大教授が明かす、この国の「病理の正体」

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「東大教授なんて、高い高い断崖絶壁の上を走るレールを、ひたすら一人で登り続けているようなもの。レールを太くて頑丈にすればするほど、どんどんそこから外れることができなくなる。“レール”って、何のことか分かる? それは、『男らしくあれ』っていう強迫観念。東大教授の大半は男だからね」

そう語るのは、東京大学東洋文化研究所の教授・安冨歩(52)だ。

身体的には男性だが、普段からスカートやワンピースなどの女性の装いをし、テレビ番組や講演会にもその姿で出演する。2014年10月、マツコデラックスの番組「アウト×デラックス」(フジテレビ系)にて「女性装の東大教授」として取り上げられ大きな話題を呼んだ。

装いのみから注目を集めているのではない。気鋭の経済学者としても注目を浴びている。特に3.11の原発事故後に出版された『原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語』(2012年1月出版)では、原発事故を取り巻くマスコミや政治家の言論が、第二次世界大戦前の戦争に関する言論とよく似ており、社会の暴走が加速する時には、きまって知的特権階級の人々の間でよく使用される「欺瞞的で、相手を言いくるめ、服従させるための」話法がメディアや政治の場で頻発すると指摘した。

自分自身が「エリート」であるにもかかわらず展開する痛烈なエリート批判と、その装いによって視線をあびる安冨だが、彼は最初から現在のような自由な人生を歩んで来たわけではない。彼の人生には長い間、家族から植え付けられたと脅迫観念がつきまとっていた。

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