伊藤博敏「ニュースの深層」
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「ブラック」と呼ばれた2社を傘下に収めた損保ジャパンは、介護業界の闇を断ち切れるか?

2016年01月21日(木) 伊藤 博敏
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〔PHOTO〕gettyimages

損保ジャパンが介護業界で躍進

「介護離職ゼロ」の実現に向けて、政府は特別養護老人ホームの増設などで、50万人分の介護サービスの「受け皿」を増やす方針を明らかにしている。

そのために必要なのは、老人ホームなどの「ハコ」よりむしろ介護に関わる人材。安倍首相は施政方針演説で、「25万人の介護人材の育成」を掲げることを決めた。

介護の重要性が高まるなか、損保ジャパン日本興亜ホールディングスが、1月25日までの買い付け期間で介護大手「メッセージ」のTOBを実施、傘下に収める。損保ジャパンは、昨年12月にも、居酒屋大手・ワタミの子会社「ワタミの介護」を買収しており、これで介護業界第2位に躍進する。

国内市場の縮小を背景に、損害保険業界では大型再編が続いており、今は大手3社で保険料収入全体の94%を占める寡占状態にあり、うち約27%を占める損保ジャパンは、業界第3位に位置する。しんがりからの脱却を介護にかけるわけだが、業界が置かれた状況を考えれば、難題が山積みされている。

損保ジャパンは、「SOMPOホールディングスの介護事業戦略について」というニュースリリースのなかで、「介護」を「損保」「生保」に並ぶコア事業に位置づけ、「保険に加えて介護サービスをご提供することにより、一人でも多くのお客さまに老後も『安心・安全・健康』な生活をお送り頂けるよう取り組んでまいります」と、している。

介護という肌が触れ合うサービスを提供していることが、リスクの先取りである損保や生保を誘引。現在の介護市場10兆円が、団塊の世代が後期高齢者となる2025年には20兆円を超えると言われているだけに、それを見据えたビジネスモデルである。

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