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法的根拠なき「有識者会合」が原発行政のアレコレを決めていく不可解さ

2016年01月20日(水) 石川 和男
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【PHOTO】iStock

有識者会合は「後始末の場」なのか?

今月6日に開かれた原子力規制委員会の定例会合〔☆1〕では、「敷地内破砕帯調査に関する有識者会合の進捗状況について」と題する報告〔☆2〕が行われた。

原子力発電所の敷地内にある破砕帯とは、いわゆる“活断層”のこと。“有識者会合”とは、原子力規制委とその事務局である原子力規制庁が、確たる法的根拠なく、いわば任意に設置・選任した専門家による会合のことである。

“活断層”に係る調査の対象は、6サイトの原子力発電所。このうち4サイト(関西電力大飯・美浜、日本原子力発電・敦賀、東北電力・東通)については、原子力規制委に対する評価書の報告が終わり、残りの2サイト(北陸電力・志賀、日本原子力研究開発機構・もんじゅ)については、これまでの進捗状況が報告された。

これは一見すると、ごく普通の会合に思える。だが、以前から、“活断層”を巡る原子力規制委・規制庁の行政手法に関心を持っている私にとっては、非常に不自然に感じる会合であった。この日の議事録〔☆3〕や映像〔☆4〕は公開されており、それを見た感想でもある。

“有識者会合”について、この日配布された資料〔☆2〕には、「旧原子力安全・保安院が行った調査指示に基づき各事業者が実施した地質調査結果について、関係4学会から推薦を受けた16名のうちサイトごとに選任された4名の有識者と、原子力規制委員会委員により、現地調査と評価を行っている」とある。

また、この日の議事録〔☆3〕を読むと、原子力規制庁の櫻田部長は「有識者会合と言いますのは、旧原子力安全・保安院が行いました調査指示に基づいて、事業者が実施した調査結果について、関係4学会から推薦を受けた有識者に、原子力規制委員会委員に加わっていただいて、現地調査と評価を行っているというものでございます」と説明。

活断層問題を担当する石渡委員も「旧原子力安全・保安院の指示で始められたといいますか、それを引き継いで、この原子力規制委員会でやっているもの……」と発言している。

ここであえて申し上げたい。これではまるで、原子力規制委・規制庁が“有識者会合”という法的根拠のない場を使って、旧保安院の後始末を行っているかのような印象を与えてしまう。

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