北京のランダム・ウォーカー

中国経済の”不都合な真実”
「今年、北京発の金融危機が世界を襲う」

ある金融機関幹部が語った本音

2016年01月18日(月) 近藤 大介
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北京の金融街 〔PHOTO〕gettyimages

不況下で隆盛を極める「空気特需」

今週は、2016年の中国経済の展望について、年末年始に北京で見聞したことをもとに述べたい。

日本と中国、ともに大発会となった1月4日朝、私は北京西城区にある金融街のちょうどヘソの部分に位置するウエスティンホテルで、金融街に勤める旧知の中国人と、朝食を共にしていた。

金融街は、「北京のウォールストリート」で、中国人民銀行(中央銀行)の本店をはじめ、大手国有銀行、保険、証券などの本店、金融監督機関などが犇めいている。彼はある中国の金融機関の幹部で、中国経済の予測に対する感度は抜群だ。

彼とこの場所で会うのは約半年ぶりだったが、互いに夏とは違う「ガスマスク・ファッション」(PM2.5防止のため体中を覆う)で身を固めていた。というわけで、まずは握手する前にマスクを外し、続いて私は、最近、北京人の間でエチケット(習慣)になっている挨拶言葉を口にした。

「この冬、空気清浄機は何を使っていますか?」

すると彼は、私が想像していた通りの答えを返してきた。

「先日ついに、スイス製に買い替えたよ」

私は年末年始に北京へ行ってきたが、北京っ子の誰と会食しても、最初の15分くらいは、空気清浄機の話題である。消費がすっかり低迷している中国にあって、空気清浄機市場は例外的に盛隆を極めている。まさに「空気特需」だ。

そこで分かってきたのは、中国人は生活水準によって、自宅に取り付ける空気清浄機が、おおよそ3段階に分かれるということだった。

まず庶民は、安い中国製を買う。1台1500元から3000元くらいだ。そんな中で、携帯電話中国最大手の「小米」が出した「699元空気清浄機」(1元=約18円)が、ネット通販で、この冬の最大のヒット商品になっている。もはや品切れで、1ヵ月から数ヵ月待ちである。

次に中間層は、圧倒的に日本製を買う人が多い。こちらはだいたい5000元から8000元くらいだ。パナソニック、シャープ、ダイキンが3大メーカーで、日本では倒産寸前のシャープも、中国では空気清浄機を「爆売り」しているのだ。

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