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巨額資金が動く!秘密の証券市場「ダークプール」をご存じか?

2016年01月14日(木) 小林 雅一
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〔PHOTO〕gettyimages

匿名で秘密裡に行われる証券取引

年初から世界中の株価が大きく下落するなど、今年は荒れた相場展開になりそうだが、そうした目に見える市場の背後に隠れた裏の証券市場「ダークプール(Dark Pool)」が日本でも勢いを増している。

ダークプールとは、機関投資家など大口投資家が、東京証券取引所(東証)のような公開市場を介さず、プライベートなマーケットで半ば秘密裡に行う取引のことだ。

ダークプールを提供するのは、以前は主に欧米の証券会社や銀行などであったが、昨今はここに日本の金融機関も加わっている。それらのダークプールを介して、たとえばヘッジファンドや生命保険会社、あるいは投資信託会社など巨額の運用資金を有する機関投資家が、膨大な数量の株式や債権などを売買している。

ダークプールは匿名かつ相対の電子取引によって成立する市場である。機関投資家らは証券会社など金融機関の提供する電子取引システムを使って取引相手を探し、そこで売り手と買い手、双方の提示価格がマッチングした時点で売買が成立する。

このときの売買価格や数量をはじめ、取引に関する情報は一切外部に漏れないことが大前提となっている。

機関投資家のポーカー・ゲーム

こうした特殊な取引形態が近年、勢いを増してきたのはなぜだろうか?

その理由だが、まずダークプールを提供する証券会社などの立場から言うと、NYSE(ニューヨーク証券取引所)や東証のような証券取引所に支払う手数料を省くことができるというメリットがある。

他方、機関投資家の立場から言うと、ダークプールを利用することによって市場への影響を最小限に抑えることができる。つまり彼ら大口の投資家にとって、巨額の証券売買はポーカー・ゲームのようなものだ。もしも証券取引所のような公開市場で彼らが巨額の売買を行えば、その情報はすぐに競争相手に伝わってしまう。

これはちょうどポーカーで自分の手の内を明かしてしまうようなもので、競争相手は即座に自分が買おうとしているのと同じ株や債券を買いに出て、価格を釣り上げてしまうかもしれない。これは機関投資家にとって、非常に損なことだ。だから彼らはダークプールを使って、なるべく自分の手の内を明かすことなく、こっそりと売買を行いたいのである。

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