現代ノンフィクション
2016年01月15日(金) 日生マユ

過眠症、過食症、そして虐待・・・話題コミック『放課後カルテ』が教えてくれる、親にも分からない「子どもたちのSOS」

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無愛想でコミュニケーション能力が低い<校医>が主人公…まったく新しい医療漫画『放課後カルテ』が話題だ。小学生の心と身体のゆらぎを繊細に描き、大人たちがいかに子どもの異変と「ホンネ」に目を向けていないかに気づかされる。10巻発売を機に、作者の日生マユ(ひなせ・まゆ)さんに話を聞いた。 


生きていてよかったと思えた。

大きな反響を呼んだ「場面緘黙症」編。自宅などでは笑ったり喋ったりするため、周囲の理解が得にくい。(8巻より)

---『放課後カルテ』は日生さんにとって初連載です。コミックス10巻発売に際してのお気持ちをお聞かせください。

よくやってこられたな〜 という感じです。実は編集さんから「校医の漫画を描きませんか?」と言われた時、読み切りだと思っていたんです。受けた後に連載だと知り、「はいって言っちゃったよ…」って(笑)。

もともと医療漫画をあまり読んでこなかったので、まっさらなところからのスタートでした。わからないなりに誰が読んでもわかるものを目指しました。あと大学で教育学科にいたので、せっかく校医が主役の漫画なのだから教育にウェイトを置いたお話を描こうと思いました。

その結果、小学生のお子さんから子供を持つお母様まで幅広い年代の方に読んでいただいて、これまで続けてくることができました。

---特に反響の大きかったお話はありますか?

8〜9巻で取り上げた場面緘黙症(ばめんかんもくしょう。家庭では話せるのに、学校などの場になると、急に話ができなくなる現象)ですね。この話は1巻が発売された時にネット上で見つけた、あるお母さんの「場面緘黙症はとりあげないのかな? でも心理的なものだから難しいかもしれないなあ」という書き込みがきっかけになっています。

「自分の知り合いもそうだ」とか「昔こういう子がいた」、あるいは「自分がそうだ」という方など思った以上にたくさんの人が悩んでいらっしゃいました。漫画を読んだお子さんが「これ私のことだ」と言ったことで初めてわかったということもあったそうです。特に親子で読んでくれている方が多いお話でしたね。

リストカットの時は同年代の子、大きな病気をしている子の話は、同じような境遇のお母様からよく感想をいただきました。

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