真壁昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済」

2016年、アメリカ経済が世界を振り回す~「主役」は中国から米国にバトンタッチ

2016年01月03日(日) 真壁 昭夫
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【PHOTO】gettyimages

アメリカ経済に振り回される一年に

2015年は中国経済に振り回された年だった。中国経済の減速が鮮明化したことで、原油や鉄鋼石、銅などの資源価格が大きく下落した。“資源バブル”が弾けたことが、世界経済の景色を大きく変化させた。

2016年は米国経済の動向に大きく左右される年になるだろう。

昨年12月、米国FRBが約9年ぶりに金利引き上げを実施した。米国金利引き上げの思惑は新興国からの多額の投資資金流出のきっかけになり、BRICSを中心にした新興国ブームが終焉を迎えつつある。

2016年の前半はそうした動きを引き継ぐことになるだろう。新興国の経済が短期的に盛り上がることは考え難い。2016年以降の世界経済を占う上で、最も重要なファクターは米国経済になると見る。

中国の共産党政権が経済構造の変化を目指す以上、もう二ケタ成長に復帰することはないだろう。ただ、中国経済は過剰債務や過剰設備など構造的な問題を抱えてはいるものの、今のところ共産党政権のグリップが効いており、短期的にそれらの問題が暴発する可能性は低い。

米国経済の先行きにも無視できない不透明要因がある。

一つは、FRBの金利引き上げによって住宅や自動車のローン金利が上昇し、個人消費の足を引っ張る懸念だ。今まで堅調に推移してきた住宅や自動車の販売が、金利上昇に耐えられるか気になる。足元で、住宅に関する経済指標にややピーク感が出始めており、米国の専門家の中にも懸念を抱き始める見方もある。

また、ドル高の影響もあり、米国の輸出の動きが鈍くなっていることも懸念材料の一つだ。世界的な資源価格の下落に伴い資源やエネルギー関連企業を中心に、米国企業の業績は2015年の年央以降やや陰りが目立ち始めている。今後、米国経済に循環的要因から息切れ感が出てくることも考えられる。

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