読書人の雑誌『本』より
2015年12月30日(水) 井上真吾

祝 初防衛成功!
怪物ボクサー・井上尚弥を創った父の教え

「できるまでやる。何度でも、何度でも」

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兄・井上尚弥選手(真ん中)と父でありトレーナーの井上真吾氏(左)。21歳での世界2階級制覇は日本人最短記録〔PHOTO〕gettyimages

文/井上真吾

井上家にクリスマスは来ない

皆さんはクリスマスを楽しめたでしょうか。我が井上家にはクリスマスは訪れません。

クリスマス翌日の26日は我が井上家の次男・拓真の誕生日です。かみさんがケーキを買ってくるくらいで特別なことはしませんが、この2年はそれもありません。なぜかと言えば、この2年間は年末にタイトルマッチが控えていたからです。

2014年12月30日、長男・尚弥がWBO世界スーパーフライ級のタイトルマッチに臨み、プロデビュー8戦目にして、WBC世界ライトフライ級との2階級制覇を成し遂げました。

拓真も15年7月、OPBF東洋太平洋スーパーフライ級の王者となりました。

15年12月29日は兄弟揃っての世界王座と東洋王座の防衛戦が控えています。〔編集部注:二人揃って防衛成功〕

試合が決まっている以上、世の中がどうであろうが、走り込み、サンドバッグを限界まで叩き、スパーリングで感覚を養います。

ボクサーですから試合に備えて減量もします。クリスマスは減量のピークの時期と重なります。減量中はカロリーの高いケーキはもってのほかです。2人の防衛戦が迫っていますから、誕生日をお祝いする雰囲気は微塵も生まれません。

「今日で20歳か。よし、さらに気合をいれて練習だ!」

おそらく誕生日当日の朝は一言そう祝って終わるでしょう。

側から見れば、「なんて生活なんだ!」と思われるかもしれません。けれども2人にとっては当たり前のことです。

詳しくは拙著『努力は天才に勝る!』(講談社現代新書)に記しましたが、尚弥が6歳、拓真は4歳からボクシングをはじめています。尚弥は自分の腰辺りまでしか背丈がありませんでした。拓真はオムツが取れて1年経ったかどうかでした。

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