舛添レポート

グローバル企業が東京からシンガポールに拠点を移す理由

アジアの中心を奪還するために

2015年12月15日(火) 舛添 要一
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世界の都市総合力ランキング2015(森記念財団 都市戦略研究所ウェブサイトより)

「グローバル人材の育成」を目指して

先週、ASEAN諸国の大使たちと懇談する機会を得た。2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会については、皆が全面的に協力してくれるということであり、嬉しいかぎりであった。

その上で、東京の魅力を、もっと多くのASEAN諸国の人々に楽しんでもらいたいとお願いすると、まずはヴィザ要件の緩和を求める声があがった。

最近の訪日観光客の増加は、円安も大いに関係しているが、ヴィザの要件緩和によるところが大きい。要するに、ヴィザを取得しないで、パスポートのみで来日できるようになれば、一気に訪日客が増加することがこれまでのデータで裏づけられている。

パリでのテロ事件のあと、渡航の自由が世界的に制限される傾向にあるが、そうなれば、人や文化の交流にも支障を来すし、観光産業にとっては大打撃となる。

テロ対策は万全な体制で行なわなければならないが、ヴィザ要件の緩和は思い切って進めてほしいと思う。少なくとも、2019年のラグビーワールドカップ、そして2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会の際に、世界中から多くの人々を迎えるために、このことは不可欠である。

世界の都市総合力ランキング」では現在、1位がロンドン、2位がニューヨーク、3位がパリ、そして4位が東京であるが、5位のシンガポールが猛烈な勢いで後ろから迫っている。

グローバル企業の多くは、アジア本部を東京ではなく、シンガポールに置いている。先日も、パリに本社のある世界企業のアジア支社長が私のところに表敬に来たが、シンガポールからの出張であった。バブルの頃には、グローバル企業は東京にアジアの司令塔を置いていた。それが今ではシンガポールに移転してしまっているのだ。

「シンガポールから東京へ」というのが、私の唱えるスローガンであるが、ではなぜシンガポールに名誉ある地位を奪われてしまったのか。

様々な規制緩和も大きな要因であるが、最大の理由は英語である。

シンガポールの公用語は英語であり、ビジネスには最適である。しかしながら日本人は英語があまり得意ではない。なんとかここを改善するように、東京都では、「グローバル人材の育成」を目指して、英語教育に力を入れる方針を策定したところである。

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