森山誉恵「いつか親になるために」

増え続ける「子どもたちの孤立」〜原因は日本の学校教育と児童福祉の「ズレた構造」にある!

虐待、貧困、施設入所、転校……

2015年12月10日(木) 森山 誉恵
upperline
[Photo]iStock

施設の子どもがぶつかる学習における「4つの壁」

虐待や育児放棄、貧困などにより親元を離れ、児童福祉施設に来ている子どもたちは、学習面で「4重の壁」にぶつかります。

前回は「4重の壁」のうち、「家庭」と「一時保護所」について説明しました。今回は、「転校」と「児童養護施設」について知ってほしいと思います。

そこには「本人の努力が足りない」「意思がない」という言葉では片付けられない、もっと根深い構造上の問題があります。社会保障、公教育、児童福祉、医療など、あらゆる面で子どもたちが置かれている現状を知ることで、子どもたちが学習面で希望を感じられる環境づくりに必要なことが見えてくるはずです。

前編はこちらからご覧ください。

施設入所に伴う「転校」という壁

3つ目の壁は施設入所に伴う「転校」です。

児童相談所は保護された子どもたちの措置を決めます。行政で保護し、児童養護施設をはじめとした施設(以下、施設)や里親など、親元ではない新しい生活環境を用意すべきか、それとも家庭に戻すか。親による虐待が改善される見込みが薄く、子どもの安全や健康が危ないと判断した場合、親元には戻しません。

児童相談所が対応した児童虐待数は毎年1万件ペースで増えている一方、施設の数はほとんど変わっていません。また、虐待や貧困等、改善までに長期間を必要とするケースが多くなっているため、施設に入ってくる子どもは増えても、施設から出られる子どもは少ないのが現状です。最近は一度施設に入ったら、そのまま保護期限である18歳まで暮らす子どもたちが多くなっています。

そのため施設の空きを待っている子どもは少なくありません。施設の職員によると、毎週のように児童相談所から「そろそろ空きはありませんか?」と電話がかかってくるそうです。

1
nextpage



underline
アクセスランキング
1時間
24時間
編集部お薦め記事
最新記事