安達誠司「講座:ビジネスに役立つ世界経済」

ECB「大規模追加緩和」の可能性を徹底検証!〜ドラギ・バズーカは再び火を吹くのか

2015年12月10日(木) 安達 誠司
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ECBのマリオ・ドラギ総裁 〔PHOTO〕gettyimages

マーケットは大きく失望

12月3日の欧州中央銀行(ECB)政策理事会の結果はマーケットを大きく失望させた。事前に期待されていた「大規模な追加緩和策」が発表されなかったためだ。

マリオ・ドラギECB総裁は、前回10月22日の政策理事会後の記者会見で、12月に大規模な追加緩和策を実施する用意がある旨の発言を行った。この直後から、ユーロレートは大幅に下落した。例えばドル・ユーロレートは、10月の政策理事会前(10月21日)の水準である1ユーロ=1.1345ドルから、12月2日は同1.0573ドルへと6.8%も減価した。

このユーロ安の流れを受けて、ドル・ユーロレートは「パリティ(すなわち、1ユーロ=1ドル)」まで低下すると予想する金融機関も出てくる状況であった。

だが、12月3日にドラギ総裁が提示した追加緩和のメニューは極めて限定的であった。

具体的な追加緩和措置は、①金融機関がECBへ預け入れる預金金利を-0.2%から-0.3%へ0.1%pt引き下げる(マイナス金利政策の拡充)、②資産買い入れプログラムを6ヵ月延長して2017年3月までとする(毎月の買い入れ額は600億ユーロで変更なし)、③買い入れ対象資産に新たに地方債を追加する、というものであった。

マーケットは、これらの追加緩和措置に失望し、マーケットでは急激な巻き戻しが起こった。例えば、追加緩和策発表後の為替市場では、1ユーロ=1.09ドル近辺までユーロが上昇した(ただし、その後は比較的落ち着いた展開である)。

ECBの金融緩和は「万策尽きた」のだろうか? 今回は、このECBの追加緩和策のメニューをいくつかの観点から評価してみようと思う。

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