真壁昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済」

またも急落!
中国株式市場で一体なにが起こっているのか?

"期待"に支えられたもろい相場

2015年11月30日(月) 真壁 昭夫
upperline
【PHOTO】gettyimages

「期待」に支えられたもろい中国相場

11月27日、それまで安定した展開を続けてきた中国株式市場が大きく下落した。経済指標の悪化や取引規制強化などを嫌気して、上海総合株式指数は約5.5%下げた。

一方、新興企業の株価動向を反映する創業板(チャイネクスト)インデックスは、約6.5%の大幅下落となった。

基本的に、中国のファンダメンタルズ(経済の基礎的な条件)は軟調だ。それにも拘らず、株価は秋口以降、徐々に持ち直してきていた。それはインフラ開発など景気刺激策に対する期待に支えられている。現に不動産価格が持ち直すなど、資産価格は反発している。

そうした動きは、本来の意味での上昇トレンドとは考えづらい。不良債権の増加など、資産価値の下押し圧力は高まりやすくなっている。米国の利上げが既定路線と考えられる中、足許の金融市場は期待先行の展開になっている。

期待が実体経済の先を走る。それが中国の株価を支えてきた。

景気刺激策や金融緩和などの“期待”に支えられた相場はもろい。ひと月、あるいは数か月かけて形成してきた株価を、一日で失うほどの脆弱性が潜んでいる。今回の株価急落は、この点を確認する良い機会だ。

市場は、予想を下回る指標など、期待を裏切る動きに過度に反応しやすくなっているようだ。27日の中国株の下落は、10月の工業利益が予想を下回ったことに影響された。加えて、当局がデリバティブ(金融派生商品)の使用に対する規制を強化し、一部証券会社に対して調査に乗り出したことも相場の重石となった。

相場が大きく下げたことを受けて、多くの投資家が“中国のファンダメンタルズは期待を支えられるほど強くはない”と認識しているのではないか。一方、政府が追加的な景気刺激策を打ち出すという期待もある為、簡単に期待を捨てることもできないというのが実情だろう。

1
nextpage



underline
アクセスランキング
1時間
24時間
編集部お薦め記事
最新記事