長谷川幸洋「ニュースの深層」
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中国よ、南シナ海はもうあきらめなさい!~アメリカを怒らせた習近平政権。たどり着くのはソ連と同じ運命だ

2015年10月30日(金) 長谷川 幸洋
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〔PHOTO〕gettyimages

アメリカは本気だ

米国のイージス駆逐艦が南シナ海で中国が軍事基地化を進める人工島周辺12カイリ(約22キロ)内に進入した。中国は「強烈な不満と断固たる反対」を表明し「あらゆる必要な措置をとる」と対抗する構えだ。米中対決の行方はどうなるのか。

米国側は進入したものの、姿勢はきわめて抑制的だ。それは駆逐艦が進入したときの映像をいっさい公開していない点に象徴される。進軍ラッパを鳴り響かせて突入したような印象を避けたい意図がにじみ出ている。

だからといって、作戦に参加しているのは報じられたように、たった1隻の駆逐艦とP8A哨戒機だけだったのかといえば、そうではないだろう。

中国を過度に刺激したくないために公表していないだけで、実はもっと多くの艦船や作戦機、衛星が総動員されているとみて間違いない。原子力潜水艦も周辺海域をパトロールしている可能性が高い。中国の軍事的能力を推し量るうえで、今回の作戦は絶好の機会になる。そんなチャンスをみすみす逃すはずがない。

それは日本も同じである。菅義偉官房長官は会見で「米軍の作戦の1つ1つにコメントするのは控える」としながら「(米側と)緊密な情報交換は行っている」と認めた。駆逐艦「ラッセン」が所属するのは米海軍第7艦隊であり、母港は神奈川県の横須賀基地だ。

横須賀には海上自衛隊の基地もある。横須賀基地は日米とも緊張しているだろう。

これはまぎれもない軍事行動である。相手が対決姿勢を示している以上、米国も日本も自らすすんで手の内をさらけだすわけがない。日本の海上自衛隊も姿は見えないが「緊密な情報交換」を基に事実上、米国と一体となって動いているとみていいのではないか。

一方、中国の側も事前の勇ましい言葉とは裏腹に、これまでのところ抑制的な姿勢を保っている。2隻の軍艦が駆逐艦を追尾したものの、それ以上の敵対行動はとらなかった。両国の海軍トップ同士は29日にテレビ会談するとも報じられた。これも偶発的な衝突を避けるために意思疎通を図る狙いである。

こうしてみると、緊迫した事態であるのは間違いないが、侵入後も両国は事態をしっかりコントロールしているとみていい。そのうえで、さて今後はどうなるのか。

結論を先に言えば、習近平政権はどうやっても米国には勝てないとみる。

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