
「いまが好機」と警察が動き出した!
山口組が分裂して約1ヵ月が経過、マスコミの賑わいに比して、割って出た神戸山口組も山口組も沈黙を貫いている。抗争につながるようなカチコミもなければ、下部組織同士の小競り合いもない。
目立つのは警察の攻勢である。抗争が、組織の存続を危うくすることを思い知らせるように、過去の罪を浮上させる形で双方の暴力団事務所に家宅捜索をかけている。
神戸山口組の主要団体である山健組には、9月9日、まず大阪府警が組員らの振り込め詐欺の関係先として神戸市の本部に家宅捜索に入り、11日には、埼玉県警が銃刀法違反事件の関係先として、連続して入った。令状捜査の他に、神戸山口組の情報を収集する目的もあった。
以降、神戸山口組と山口組双方への目まぐるしい搜索が続いている。
9月15日には兵庫県警が、神戸山口組が本拠地とする予定の侠友会本部(兵庫県淡路市)を、「暴力団員であることを隠して金融機関に口座を開設した詐欺事件の関連先」として家宅捜索した。侠友会には17日、別容疑で京都府警が家宅捜索を行っている。
山口組では、司忍6代目組長の出身母体である司興業が狙われた。9月17日、警視庁は「弁護士代を払え」と言って、現金を脅し取った疑いで司興業の幹部らを逮捕、名古屋の司興業本部を家宅捜索した。
この日は、他にも福岡県警が、県内の賭博店からみかじめ料を受け取ったとされる組織犯罪処罰法違反事件の関係先として、県内の山健組傘下事務所を家宅捜索。他にも山口組系良知組には、組員の用心棒代恐喝事件の裏付けで静岡県警が家宅捜索に入った。
翌18日には、大阪府警が山口組系極心連合会の組事務所を、傘下組織幹部らの恐喝と逮捕監禁致傷事件の裏付けで家宅捜索。同日、大阪府警は、やはり山口組系三代目一会の本部を、傘下組員が行った窃盗事件の関連先として家宅捜索した。
これでは神戸山口組も山口組も身動きが取れない。都道府県警に、あらゆる暴力団情報がストックされ、その情報をもとに突っ込めば、いつでもどこでも犯罪の摘発は可能だし、家宅捜索を打てる。
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