田崎史郎「ニュースの深層」
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大丈夫か? 民主党 
このままでは「第二の社会党」になる

安保審議「引き延ばし」に失敗、公募は激減!

2015年09月22日(火) 田崎 史郎
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【PHOTO】gettyimages

採決強行の引き金を引かせたのは民主党だ

戦後の安全保障政策を大転換した安全保障法成立後、民主党幹部に「民主党は勝ったんですか、負けたんですか」と尋ねた。その幹部はしばらく間を置いた後、絞りだすような声で「負けたのだと思います」と語った。

この幹部は非執行部系だが、民主党執行部は対決路線を選択し、最後は徹底的な引き延ばし戦術を展開した。その姿は1992年の国連平和維持活動(PKO)協力法審議当時の社会党のようだった。

社会党は共産党とともに徹底抗戦し、参院で「牛歩戦術」を展開し、衆院では最後、全員の議員辞職願を提出した。衆院議長・桜内義雄が受け取りを拒否したため収まったが、社会党はこれを機に没落した。

与野党攻防の舞台となった参院平和安全法制特別委員会で、与党が17日、安保法案の採決に踏み切った。自民党議員が委員長席に押し寄せ、スクラムを組んで委員長を守り、それを突破して採決を阻止しようとする野党議員の姿が繰り返し放送された。法案に反対するメディアはこの異常さを強く訴えた。

翌18日朝刊ではいずれも1面トップでこの事実を伝えた。だが、伝え方が違った。朝日、毎日、東京の3紙は「強行」という見出しを取り、読売、日経、産経の3紙は単に「可決」と伝えた。安保法案への賛否と同じスタンスと言える。だが、野党のうち3党、つまり元気、次世代、改革が賛成したこと、かつ前日の出来事に目をふさがなければ、「強行」という見出しを取れなかったはずである。

前日の16日夕、民主党など野党は女性議員を先頭に立て、第1理事会室の前を占拠し、特別委員長・鴻池祥肇らの出入りを妨害した。採決が野党にとって「不意打ち」なら、この妨害は与党にとって「不意打ち」だった。民主党などの女性議員は排除しようとすると「触るな!セクハラだ」と叫んだ。

民主党などは女性議員にはちまきを準備した。一部議員から「たすきでいいのでは?」との意見もあったが、はちまきを選択した。戦う姿を見せたかったのだろう。民主党代表・岡田克也が「あらゆる手段で阻止する」と言明した作戦の一貫だった。

このために、自民党は週内の可決・成立が難しくなるのではないかという不安を抱いた。週内が困難になると、シルバーウィークに入り、26日からは首相・安倍晋三が国連総会出席を予定している。その間の24、25両日だけでは、野党が牛歩戦術などを展開したら成立させられなくなる。その焦りが委員会採決につながった。

委員会採決を「強行」と非難されるかたちになれば、自民党への批判は確実に高まる。それが分かっていても、採決に踏み切らざるを得なかった点において、民主党の作戦は成功したと言える。自民党の「横暴さ」を際立たせることができたからである。しかし、それが民主党にとっての勝利なのか?

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