歳川隆雄「ニュースの深層」
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石破茂が「反安倍勢力結集」
〜新派閥立ち上げの舞台ウラ

「野田聖子の乱」に触発!?

2015年09月12日(土) 歳川 隆雄
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【PHOTO】gettyimages

失敗に終わった「党内クーデター」

自民党総裁選に野田聖子前総務会長を出馬させて、今秋に波乱政局を引き起こそうとした古賀誠元自民党幹事長ら「長老組」の目論みは頓挫した。「安倍政治」に批判的な党内勢力を結集して、来年5月の伊勢志摩サミットを花道に、安倍晋三首相の総裁任期途中の退陣を企図したものと思われる。

公然と活動をした古賀氏(75歳)以外にも、水面下で野中広務元官房長官(89)、山崎拓元幹事長(78)、青木幹雄元官房長官(81)が蠢動したとされる。

だが、菅義偉官房長官を中心とする首相官邸と谷垣禎一幹事長ら党執行部、さらには岸田文雄外相が会長を務める党内第3派閥の宏池会(岸田派)からの厳しい切り崩しと締め付けによって、野田陣営が総裁選告示前日の9月7日夜時点で確保できた推薦人は6~7人に留まった。

自民党の「安倍一強」体制は、何とか来年夏の参院選まで継続することが確実となった。

そうした中で、総裁選告示日の8日、ポスト安倍を目指す石破茂地方創生相が、自身を支持する同党国会議員で構成する「無派閥連絡会」を母体に、通常国会終了後に派閥を結成する意向を、院内に集めた無派閥連絡会メンバーに明らかにした。

だが、第一報に接した官邸幹部はオフ懇で、「なぜ、安倍総理の無投票再選が決まった日に、決めなければならないの。そもそも無派閥連絡会が派閥化するなんて、すごく矛盾していると思う」と語っている。

「石破派」結成のニュースはさらなる波紋を呼んだ。『読売新聞』と『日本経済新聞』の9月10日付朝刊を読み比べると、それがよく分かる。

『読売』は、「石破氏を閣内処遇へ―内閣改造、首相 ポストは検討」との見出しを掲げて、10上旬に予定する内閣改造・自民党役員人事で、石破地方創生相を引き続き閣僚として処遇する意向を固めたと報じた。

一方の『日経』は、「石破氏、閣僚退任の意向―派閥立ち上げ表明、挙党態勢に火種」の見出しを付けて、石破氏が内閣改造で閣僚を退任する意向を周囲に伝えていたことが分かったと報じ、石破氏は入閣しないことで、安倍首相と距離を置く議員の取り込みを狙うと、解説している。

どちらが正しいのか。

筆者は、『読売』の見立てに与する。同紙は、先述の記事中に、「地方創生相として留任させるか、他の閣僚に横滑りさせるかは今後、検討する」とも書いており、石破氏が昨年新設された地方創生相から総務相など主要閣僚への横滑り打診を無碍にできないと見ているからだ。

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