町田徹「ニュースの深層」
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ソフトバンクに"異変"あり!
「国内一人勝ち」から一転、大きな苦境に直面

米国進出の大誤算、国内契約者数の純減

2015年09月01日(火) 町田 徹
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8月6日の記者会見でペッパーと並ぶ孫正義社長〔photo〕gettyimages

ソフトバンク「国内一人勝ち」の終わり?

3年前に買収した米携帯電話会社スプリントを通じた米国進出で誤算が続くソフトバンクが、新たなピンチに直面している。

その苦境とは、2016年3月期第1四半期(4~6月)決算で明らかになった国内の移動通信サービス契約数(累計)の46万件を超す純減だ。この純減は、長年続いてきたソフトバンクの“国内一人勝ち”に終わりを告げた可能性がある。

モバイル市場では、NTTドコモがネットワークを提供する仮想移動体通信事業者(MVNO)各社が安売り攻勢をかけている。航空市場で運賃の安さが売り物だった国内3位のスカイマークが、本格的な格安航空会社(LCC)の参入によって経営破綻したのとよく似た構図が、モバイル市場でも芽吹いたかもしれないのだ。

加えて、社内では、「信賞必罰」のソフトバンクのカルチャーが揺れているという。今年5月に発表され、米国進出の失敗から目をそらす効果をもたらしたニケシュ・アローラ副社長の後継者指名が、内部的には逆効果で、孫社長の後継者に連なって出世を目指していた幹部経営陣たちがモラルダウンを起こしているらしい。

孫正義社長は、この苦境を乗り切る戦略を持ち合わせているのだろうか。ソフトバンクの最新事情を探ってみよう。

 あの手この手の話題作り

「皆さん、こんにちわ。孫社長から無茶振りされちゃったペッパーです。今日は決算の発表をしなければいけないのでとっても緊張しています」
「途中で止まったら、あまりのプレッシャーに負けたと思って大目に見てください」 

2016年3月期第1四半期(4~6月)決算の内容は表面的には決して悪くなかったが、それでも孫正義社長は自信がもてなかったのだろう。先月6日に行った記者会見で、あの手この手の話題作りを展開した。

その一つが、冒頭から15分余りを、同社が販売を開始したパーソナルロボット「pepper」に任せるという演出だ。長年、折に触れてソフトバンクを取材してきた筆者の目から見れば、記者たちの関心を決算の内容から話題の新商品に移そうという同社の意図は歴然だ。

こうした手法はソフトバンクが得意とするもので、スプリントの立て直し策への厳しい質問が続出すると予想された、ほぼ3ヵ月前の2015年3月期決算で、アローラ副社長を後継者としてクローズアップさせるというサプライズを演出してみせたばかりだ。

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