オルタナティブな若者たち
2015年08月22日(土) 池田 真隆

営利企業でありながらも、社会的存在でありたい〜「スマートニュース」のNPO支援プログラム

「公共性の感覚」を育てるために

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SmartNews ATLAS Program

スマートニュース(東京・渋谷)はこのほど、同社が運営するニュースアプリ「SmartNews」上でNPO向けに100万円(総額1,000万円)の広告枠を無償で提供すると発表した。

同社の選考で選ばれた10のNPOは、広告枠を自由に使うことができ、提携企業・団体の力を借りながらモバイルマーケティングを実践できる。同社はこの取り組みを、PRともマーケティングともCSR(企業の社会的責任)ともとらえていない。「やるべきだと思うからやりたい」という一人の社員の思いが、会社全体を動かした。

同社が行うNPO支援プログラムは、「SmartNews ATLAS Program」。選考で選ばれたNPOは、スマートニュース上で、100万円分の広告出稿権を得る。NPOの発信力を強化するこの取り組みには、5つの企業・団体も協力している。それらのパートナーとともに、クラウドファンディング、イベント集客、記事作成などを実際に経験することができる。

同社が運営するアプリ「SmartNews」は、時事・スポーツ・エンタメなど数百の媒体の記事を配信しており、日に200万人以上が閲覧している。情報にかかわる会社として、公共性の感覚を育みたいという考えから、この取り組みが生まれた。

ユーザーには、ニュースを読み、社会の出来事を知るだけでなく、自らもその課題解決に参加できると認識するきっかけをもってもらいたいと考えている。インターネットを利用するデバイスは、デスクトップからモバイルに移行している。そして、多くの若者がニュースを得るのは、雑誌や新聞ではなく、モバイルからになった。

スマートニュースはどのような社会を目指しているのか、同社のマネージャ グロース/パブリック担当の望月優大さんに聞いた。

NPO支援プログラムを企画した望月さん

「やるべきだと思うからやる」というのが正直な感覚

――御社がNPO支援をする取り組みの狙いは何でしょうか。

望月:情報の流通に携わることを通じて、社会における公共性の感覚を育むとともに、民主主義の強い基盤作りに貢献したいと考えています。

このプログラムを通じて様々な社会的課題やそれらに対するNPOの取り組みがより多くのユーザーに伝わることによって、一つひとつの団体の活動が活性化されるだけでなく、社会における「公共性」の感覚、「自分たちで変えられる」という感覚が広がっていくことを期待しています。

――御社はこの取り組みを、マーケティングとして認識しておりますか。それともPRとして認識しておりますか。

望月:どちらでもないですね。新規ユーザーの獲得を狙っていたり、スマートニュースが「良い会社」だと思ってほしいからやるわけではないです。営利企業でありながらも社会的存在でありたいという理想を、NPO支援プログラムというひとつの具体的なアクションに落とし込んだものです。

――この取り組みは中長期的に見ての、ブランディングに見えたのですが。

望月:いわゆるブランディングとも考えていません。短期的にも参加団体とのキャンペーンを通じてインパクトを出したい、ベストプラクティスを積み上げたいと思っていますし、中長期的にはソーシャルセクター、ビジネスセクターの垣根を越えた良質なコミュニティをつくっていきたいと願っています。

なぜやるのかという問いに答えるとすれば、「やりたいからやる」、「やるべきだと思うからやる」、というのが正直な感覚です。プログラムの責任者としてそう思っていますし、会社の代表含め、スマートニュース全体がその思いを応援してくれています。

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