「現代ビジネス」政策講談-それ本当ですか?

新国立競技場には声をあげるのに、なぜこの問題には目をつむるのか――
日本の国富を年間4兆円ムダにする「原発40年規制」こそ今すぐ見直しが必要だ

2015年07月18日(土) 石川 和男
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1日あたり100億円の国富が流出している〔PHOTO〕gettyimages

科学的根拠のない「40年規制」

今月7日、自民党の電力安定供給推進議員連盟(会長・細田博之幹事長代行)が原子力規制委員会の運営の見直しに関して緊急提言をまとめた。同日付け日本経済新聞ネット記事(※1)によると、原子力発電所の運転期間を原則40年とする制度について、「規制委の審査中に40年の期日が来ても即時廃炉にしないよう柔軟な対応を要請」とある。
※1: http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS07H2X_X00C15A7PP8000/

この“40年規制”という運転制限期間の設定には、科学的根拠は全くない。政治的に決められたものだ。こうした安全に係る基準(規制基準)を政治的に何となくこんな程度だろうという“空気”で決めるのは、世界的にも非常識極まりないことだ。これについては、拙稿で2回にわたって詳説してきたので、適宜参照されたい(※2、※3)。

※2:http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/42231(“原発40年規制”の根拠は「科学と技術」でなく「政治と空気」 ~ 専門家でない政治家が決めた危険な安全ルール)
※3:http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/42353 (”原発40年規制”は原発殺処分ルールではない! ~世界標準に合わせた「原子力平和利用ルール」に昇華させよ)

規制委とその事務局である原子力規制庁は、このような科学的根拠のない政治決着による“40年規制”についてどう考えているだろうか?

1976年12月に運転を開始した関西電力の美浜原発3号機は今、“40年”の期限まで、あと残り1年4ヶ月しかない。この間に、①規制基準の適合性審査と、②運転期間延長の審査の両方にパスしなければ、廃炉に追い込まれてしまう。だが、基準地震動(原発周辺で起こると想定される地震による最大の揺れ)の設定に影響する「活断層の深さ」を巡って、規制委・規制庁と関電の間で意見の対立があり、審査が先に進んでいない。

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