本荘修二「明日をつくる女性起業家」

「女の時代」どころか「女から学ぶ時代」
菊永英里と竹部美樹、2人の女性起業家の体験にみる驚きの戦略とは?

2015年06月28日(日) 本荘 修二
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左から、菊永英里さん、本荘修二さん、竹部美樹さん
6月13日、京都大学で開催された交流会2015(主催:京大情報学同窓会)にて本連載スペシャルトークイベントを行った。題して『「女の時代」どころか「女から学ぶ時代」~女性起業家の体験にみる驚きの戦略~』。本荘修二氏をモデレーターに、特許取得のロック式ピアスキャッチを提供する株式会社クリスメラ代表取締役の菊永英里さん、そして鯖江市を地域活性化のモデルに押し上げた一人であるNPO法人エル・コミュニティ代表の竹部美樹さんをお招きし、起業のプロセスやチャレンジについて語っていただきました。

本連載記事、菊永英里さんはこちらからご覧ください。

バカと言われても、自分の意志で決めた人生計画を実行する(菊永英里さん)

人前で話すのも苦手な内向的な子どもだったのですが、16歳のとき、電車に乗れない自分にショックを受けたことをきっかけに社長を志しました。「企業で働けないかもしれない。だったら社長になればいい」と思ったんです。

父親は転勤が多い仕事で、これまで14回も引越しをしました。その度に友達と離れ、そのまま親の引いたレールに乗って受験して高校に入りました。16歳ではじめて自分の意志を持ち、人生の計画を立てました。自分が30歳のとき父親は60歳。定年した父に事業を任せて私は出産しよう。ならば29歳までに結婚だ。子供を産むまでに会社を安定させないといけないから、5年逆算して25歳で起業する、と。この「自分の意志」が大切なんです。

友達からは「バカか」と言われましたが、なぜバカにされのるかわかりませんでした。ドラクエに熱中する人は、「もしかしたら俺はこのゲームをクリアできないかもしれない」と悩むことはない。このまま進んでいけば確実に魔王がいて、その魔王を倒せば世界は平和になってゲームをクリアできると確信している。ならば、社長になることも決めてしまえばいいのだと思ったんです。

社長になると決めて、そのために足りない要素を埋め始めました。事業計画書を作って父親に見せ、何度ボツになろうとぶつけ続け、苦手だった人前で話すことを克服しようとバンドサークルに入って歌いました。

漂流していた少女時代。そこから自ら生き方を決めて、努力した菊永さん。社長になる、子供を持つ、など人生の目標を掲げて走ってきた。これこそがビジョンだ。具体的に意欲的なゴールを設定し、実現のため湧き上がるようなパッションを喚起する。だから行動できる。「人よりも何もできない私ができたから、みなさんもできる」というメッセージに、聴衆の目も見開いたようだった。

菊永 英里(きくなが・えり)
株式会社クリスメラ 代表取締役・開発者

1981年山口県生まれ。幼少期を海外で過ごす。キャリアと子育てを両立するためには起業しかないと16歳より起業を志し、銀行員の父に事業計画書を9年間出し続ける。2003年ITベンチャー企業に入社。営業、役員秘書、 新規事業立ち上げに従事。24歳で開発を開始した「ロック式ピアスキャッチ」で2006年に特許を出願。2007年株式会社Chrysmelaを設立。2008年の発売以来、累計22万ペアを販売。2010年に日本起業家賞開拓者賞、2014年にJ300アワード大賞など受賞多数。
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