井上久男「ニュースの深層」
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社外取締役の弊害! 「身内」の登用、親会社の不透明な関与、官僚の天下り・・・実際に起きた不祥事から考える

2015年06月18日(木) 井上 久男
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6月から、東証に上場する企業は社外取締役2人以上の選任が義務づけられた photo Getty Images

社外取締役という制度の狙い

6月16日にトヨタ自動車の株主総会が開かれるなど、総会シーズンを迎え、コーポレートガバナンス(企業統治)への関心も高まる時期となった。今年6月からは、東京証券取引所に上場する企業では社外取締役2人以上の選任が義務付けられ、世界の投資家も日本企業の企業統治改革を注視している。

この社外取締役には、経営に第三者的視点を入れるなど企業統治の透明性と健全性を高めるなどの狙いがあるが、社外取締役制度を入れたからと言って万全ではない。現在、不適切会計が指摘されている東芝にも、粉飾決算でかつて元トップが逮捕されたオリンパスにもそれぞれ社外取締役はいたが、不祥事は起こった。

今求められているのは、社外取締役制度という形だけを整えるよりも、取締役会の機能とは何かを改めて考え直し、その質を向上させることではないか。社外取締役には弊害すら想定されることも考慮しておくべきだ。

「身内」による、なあなあの経営監視

思い出してほしい。2001年に経営破綻した米国の電力会社エンロンでは、最高経営責任者のMBA仲間が社外取締役に入っていたが、不正会計を防げなかった。

米国では「クローニーキャピタリズム(仲間内資本主義)」という言葉がある。経営者や権力者に近い人物が経済的な利得を売る資本主義のことを指す。経営者のMBA仲間が社外取締役に入って、経営監視をなあなあで済ませて高額の役員報酬をもらうことは、その仲間内資本主義の部類に入るだろう。政治形態は共産主義、経済の実態は資本主義の中国で、共産党幹部の子弟が国有企業などのトップに就くことも同様だ。

日本でも最近、仲間内で社外取締役を出していた企業で不祥事が起きた。

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