テレビのヨミカタ
2015年06月17日(水) 高堀 冬彦

テレビ界のカリスマ、TOKYO MX後藤亘会長に聞く【前編】
「東京情報の発信は大切ですが、ローカル感覚ではいけない」

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テレビ界のカリスマ・TOKYO MX後藤亘会長

テレビ界にはカリスマ的存在が何人かいる。制作者ならバラエティー界の故・井原高忠さんやドラマ界の故・大山勝美さん。経営者ならフジテレビの黄金時代を築き上げた日枝久会長だ。

TOKYO MX(以下MX)の後藤亘会長(82)もカリスマ経営者の一人。1989年、後発FM局に追い上げられていたTOKYO FMの社長に就任すると、たちまち他局を圧倒し、No.1FM局の座を勝ち取った。その手腕を買われ、97年には経営の見通しが不透明だったMXの社長に就任。見事に経営を安定させた。

MXの『5時に夢中!』(平日午後5時)、『バラいろダンディ』(平日午後9時)はご存じの読者も少なくないだろう。どちらの番組も後藤体制下で始まり、局の知名度を上げ、イメージを大きく変えた。今回と次回はカリスマの後藤氏にテレビとラジオについての話を聞く。

後藤氏以外にラジオの社長からテレビの社長に転じた人はいない。しかも、TOKYO FMがMXテレビの親会社であるというわけでもない。MXの社長就任時はTOKYO FM社長のままであった。前例のないW社長が誕生したのだ。

「MXの進路が不透明になった時期、開局に尽力された財界関係の方々からお話をいただきました。当時の石原慎太郎知事からの要請だったという報道もありましたが、それは違います。

ただ、あのころのルール(マスメディア集中排除原則)ではテレビとラジオの代表取締役を兼ねることが出来ませんでしたので、TOKYO FMは代表取締役社長のままで、MXでは代表権のない社長に就きました。当初はお断りしようと思っていたのですが、お世話になった方々からのお話だったので、お引き受けいたしました」

東京のローカル局であるという意識を払拭

「東京にも地元放送局を」という声を受けて95年に開局したMXテレビは、スタート時は報道重視の路線を打ち出し、『東京NEWS』というニュース番組を一日に12時間以上も放送した。逆にバラエティー色のある番組は一切なし。狙い通りにキー局との差別化は図られたが、視聴率面と営業面で大苦戦を強いられた。

「開局当初の志は高く、間違っていたとは決して思いませんが、時期尚早だった気がします」

事実、ニュースばかりのMXには、「硬い」というイメージが付いた。近寄りがたかった。まるで冗談のようだが、社屋も都心部から遠かった。湾岸の埋め立て地である江東区青海にあるテレコムセンター内にあったのだ。

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