小川和也の「デジタル・ドリブン」

小川和也×隈研吾【後篇】
建築家・隈研吾と探る
「テクノロジーと建築の未来」

2015年07月12日(日) 小川 和也
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隈氏が設計に携わった、富山市の図書館とガラス美術館が一緒になった「TOYAMAキラリ」。建築を「柔らかく」するための、様々な工夫が凝らされている

デジタルで壁や膜をつくる

小川:(前編より続く)隈さんは、著書を通じて、「今やっと近代建築というものがはじまったのではないかと、僕は感じている。近代建築とは、境界を自由にコントロールできる建築のことであり、境界をコントロールするということは、人と人、人と物、人と自然の関係を繊細にコントロールし、調整することのできる建築である」と仰っていますが、この境界コントロールはテクノロジーによってより行いやすくなりますか。

隈:まず、柔らかい素材、膜素材みたいなもので色々なことができるようになってきているので、境界の考え方も大きく変わりつつあります。うちの事務所にも、カーテンや布とか、膜を専門に扱っているスタッフもいます。

小川:壁と膜の概念は違うわけですから、設計の際に、ここは壁にしようか、それとも膜にした方が良いかな、などという判断もあったりするのですよね。

隈:そうですね。様々なプロジェクトの中で、ここは壁より膜にした方が面白いんじゃないかということになった場合に、膜の専門スタッフのところに相談にいって、こういう素材があって、それだとこんなことができて、というような議論をするんですね。最近、富山に図書館とガラス美術館が一緒になった建物がオープンしたんですが、カーテンにたくさんの造花がセットされているんです。まるで花の壁みたいな感じで。美術館の中は、美術品をくってしまうかもしれない虫を連れ込んでくる生きた花は置けないので、造花のカーテンをつくったんです。そういうもの、建築を柔らかくする手段として使えるんですよね。

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